バルミューダの流れをくむ「雑貨家電」という新潮流 〜誕生の背景と課題:知らないと損!?業界最前線(5/6 ページ)
近年、デザイン性が高く、雑貨店で流通する「雑貨系家電」が注目を集めている。小さなメーカーやほぼ知られていないブランドの製品が、駅ナカやイオンモールなどの雑貨店で販売され、人気を得ているのだ。小さな会社やブランドが家電を企画〜販売するようになった背景や人気を得ていった経緯、今後の課題を紹介する。
今後は、デザインと価格・機能のバランスが求められる
近年、数多く登場している雑貨系家電ブランドの勢いは、いまや大手家電メーカーを凌いでいる。これらメーカーやブランドは、洗濯機や冷蔵庫などの大型家電こそ手掛けていないが、ホットプレートやトースター、フードプロセッサーなどの小型調理家電では、発売される製品数はすでに大手よりも雑貨系家電メーカーの製品のほうが多い。
しかし一方で、雑貨系家電のリスクも増えている。先に紹介したBRUNOやレコルトなどは日本国内に拠点を置き、製品開発は国内で行っているが、近年、中国のOEM工場などの製品に、ほぼそのままブランド名だけ付けてAmazonなどで販売されるケースが急増しているのだ。
若い女性をターゲットにした可愛らしいデザインの家電がそろうレコルト。「エアオーブントースター」(実勢価格1万7600円)は、デザインだけでなく、トーストとノンフライ調理ができて、しかも置き場所を取らない
このケースの問題は、それなりに良いデザインを採用しており、仕様を見ただけでは違いがほとんど分からないことにある。しかし実際に購入すると、操作体系やマニュアルがほとんど日本語化されていなかったり、品質面やサポート面において問題があったりする製品も少なくない。
こういった正体不明のブランドが増えていくと、せっかく盛り上がっている雑貨系家電の信頼性が毀損してしまう可能性がある。手軽さやデザインの良さで人気を集めた雑貨系家電だが、今やデザインがいいだけの安い家電は、名もなき海外ブランドからいくらでも出てくる。つまり、これからの雑貨系家電には、それらとの差別化が求められているのだ。
関連記事
- 象印も新規参入「オーブンレンジ」激戦区はミドルクラス、子育て世代に人気の背景
ミドルクラスのオーブンレンジが人気だ。実勢価格は、単機能レンジやエントリー帯のオーブンレンジが1〜3万円程度、ミドル帯が5〜8万円程度、ハイエンド・フラッグシップモデルは10〜20万円程度。このミドルクラスオーブンレンジの人気から、日本の子育て世代のニーズが見えてくる。 - パナソニック「指定価格制度」 家電量販店はどう捉えているのか?
パナソニックが「メーカー指定価格」を導入し、話題になっている。一部のフラグシップモデルで販売価格を指定し、値引きを認めないというものだが、家電量販店は在庫リスクを負わずに済む。「指定価格」により、家電量販店は今後どうなっていくのか。また他メーカーは追従していくのだろうか。 - スタバのコーヒーを再現するコーヒーメーカー、バルミューダが発売 「トール」サイズも対応
バルミューダは、「スターバックスコーヒー」で販売しているコーヒー豆に合わせた抽出モードを搭載するコーヒーメーカーを12月上旬に発売する。 - 2品同時の「パック調理」に対応した自動調理鍋、象印マホービンが発売
象印マホービンは25日、自動調理鍋「EL-KA23」を発表した。「パック調理」などで手間と時間を節約できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.