「USB Type-A」は古すぎ? 大阪メトロ新型車両の設備が話題 採用理由を聞いた
大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)が2023年4月から導入する新型車両400系について、車内に搭載されるUSBポートの種類が一部で話題になっている。
大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)が2023年4月から導入する新型車両400系について、車内に搭載されるUSBポートの種類が一部で話題になっている。400系は最新のUSB Type-CではなくUSB Type-Aを採用しており、Twitter上で最新車両なのになぜ旧型のポートを採用するのかと指摘する声が広く拡散された。
400系は、中央線を運行している20系車両の更新および他路線へ転用する24系車両の置き替えとして導入する車両。大阪・関西万博を契機に新世代車両として開発を進め、車内防犯カメラ、ワイド液晶による4カ国語での運行案内、空気浄化装置、車内Wi-Fi、車両状態の常時モニタリングの他、自動運転の実証実験も考慮されており、高度化が図られている。デザインも宇宙船を意識した未来的なものとなっている。
そんな新型車両にUSB Type-Aポートが搭載された理由について、大阪メトロに聞くと「コンセントやType-C規格の採用も検討しましたが、現在一般的に流通しており汎用性が高い規格であることや、Type-Cへの変換も可能であること、また、コンセントを採用した場合は、海外からのお客さまの(プラグの)規格が一致しない場合も考えられることから、Type-A規格を採用しました」との回答があった。
転送速度や給電能力などに優れるUSB Type-Cも普及してきたとはいえ、現在でもType-Aポートを利用しているユーザーは多い。例えば、iPhoneだと11 Proや12から、USB Type-CとLightningのケーブルを同梱しているが、最近では環境負荷軽減から充電器を同梱していないことが多く、新機種に乗り換えても充電アクセサリは使いまわすというのは大いにありうる。東京メトロ丸ノ内線の2000系など、コンセントを搭載している車両も存在するが、国内外の利用者が使う交通機関であることを考えると、世界で最も普及している充電ポートを採用したともいえる。
なお、大阪メトロはType-AからType-Cへの変換も可能としているが、A側がオス、C側がメスの変換アダプターは規格に沿わないため、おそらくType-AとType-Cのオス-オスケーブルで、Type-C機器も充電できることを指していると思われる。
同社によると、ポート部分のみを交換することも可能という。そのため、今後USB Type-C含め他の規格に変更する可能性については「社会的なニーズなどを踏まえ、柔軟に検討したいと考えています」と述べている。
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