Twitter、Mastodon他のSNSへのリンクツイートをポリシー変更で禁止(SNSの有料広告ならOK)
TwitterはユーザーがMastodonなどのアカウントをツイートすることをポリシーで正式に禁じた。違反ツイートは削除され、アカウントは一時凍結される。マスクCEOは「Twitterは使いやすいものであるべきだが、競合他社のしつこい無料広告は不要だ」とツイートした。
米Twitterは12月18日(現地時間)、ユーザーがTwitter以外のSNS上の自分のアカウントや投稿をツイートすることを正式に禁じるとツイートで発表した。特に、Facebook、Instagram、Mastodon、Truth Social、Tribel、Nostr、Post.を対象としている。
違反するツイートは削除され、アカウントは一時的に凍結される。繰り返せば完全に凍結される可能性がある。
同社は15日、複数の著名ジャーナリストのアカウントと凍結し、他のユーザーがそれらのジャーナリストの他のSNSアカウントをツイートすると、それらのツイートを削除した。ジャーナリストの凍結はその後解除された。
Twitterのヘルプセンターに新たに追加された関連ポリシーのページ(日本語版はまだない)によると、他のSNSに関するツイートは「無料のプロモーション」とみなし、「今後、Twitterでの特定のSNSの無料プロモーションを許可しない」という。有料広告であれば許可する。つまり、ユーザーが個人的に他のSNSへのリンクをツイートすることを「無料の広告」と位置づけることで削除を正当化している。
例えば、ツイートに「<ユーザー名>@mastodon.social」などのアカウントを入れると削除される。「.」を「ドット」と書くことなどで制限を回避しようとすることもポリシー違反とみなされる。
この決定に対し、ジャック・ドーシー前CEOは「なぜ?」とリプライし、新たなポリシーページの画像投稿に対し「意味無し」とリプライした。さらに、自身のプロフィールにNostrでの自分のユーザー名を表示した(これは明らかにポリシー違反になる)。
ドーシー氏は13日、イーロン・マスクCEOの「#Twitter Files」を批判する投稿へのリンクをツイートした。その投稿先のサービスはTwitter傘下だが、翌日閉鎖された。同氏はその投稿で、Nostrへの出資についても語っている。
これを受け、多数の著名人がTwitterを去ると宣言している。例えばポール・グレアム氏は「(この新ポリシーが)最後の一撃だ。もう見限る。私の新しいMastodonアカウントへのリンクは私のWebサイトにある」とツイートした。これならポリシー違反にならないはずだが、本稿執筆中に同氏のアカウントは凍結されてしまった。なお、同氏のMastodonアカウントは@paulgだ。
【UPDATE】さらに約1時間後、グレアム氏のTwitterアカウントは凍結解除され、ツイートも復活した。
同氏はMastodonで「私はTwitterを離れたわけではない。Twitterが他のサイトへのリンクを禁止している間は使いたくないだけだ。それに、Mastodonについて学ぶのにいい機会だ」と投稿した。
マスク氏は「Twitterは使いやすいものであるべきだが、競合他社のしつこい無料広告は不要だ。従来のパブリッシャーだってそんなことを許可していない。Twitterも許可しない」とツイートした。
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