Twitterの前CEOドーシー氏、「元従業員への攻撃は無益」と語り、Signal支援を表明
Twitterの共同創業者で前CEOのジャック・ドーシー氏は、マスクCEOが展開中の「#Twitter Files」に関する見解をまとめたブログを投稿した。「元従業員への攻撃は無益だ。非難するなら私を非難せよ」としている。
米Twitterの共同創業者で前CEOのジャック・ドーシー氏は12月13日(現地時間)、現CEOのイーロン・マスク氏がここ数日展開している「#Twitter Files」に関する自身の見解をブログとして投稿した。
ドーシー氏はツイートのスレッドで語り始めたが、「すべてを280文字ずつのスレッドにするのは嫌なので、続きはブログにまとめた」としてTwitterが買収したニュースレター配信のRevueの投稿のリンクをツイートした。
#Twitter Filesとは、マスク氏が2日から数回にわたって外部ライターを起用して展開する内部告発シリーズ。ハンター・バイデン氏のノートPCに関する記事のツイート削除やドナルド・トランプ前大統領のアカウント凍結までの経緯を、社内のメッセージングやメールの画像を多用して“暴露”するものだ。
このシリーズの影響で、元Safety & Integrity担当ディレクターのヨエル・ロス氏などへの個人攻撃が発生していると報じられた。
同氏はTwitter Filesが扱っている事例について、社内での判断は「悪意や隠された意図ではなく、誰もがその時点で持ち得た最善の情報に従って行動した」と主張し、「元同僚に対する現在の攻撃は危険であり、何の解決にもならない。非難したいなら、私を非難すればいい」と語った。
社内の決定を透明にするのは歓迎するが、WikiLeaksスタイルで公開し、より多くの視点と解釈が反映されることを望むとしている。
Twitterは過去も現在も、ドーシー氏の理想とするソーシャルメディアの原則を満たしていないという。その原則とは以下の3つだ。
- ソーシャルメディアは企業や政府の管理に対して回復力を持つべし
- コンテンツを削除できるのはコンテンツの作成者のみであるべし
- モデレーションは、アルゴリズムの選択によって最適に実装されるべし
ドーシー氏は、自分の最大の過ちは、Twitterのユーザー自身が自分のためのTwitterを簡単に管理できるツールを構築するのではなく、公の会話を管理するためのツール構築に注力し続けたことだと説明。そのせいで広告予算などの外部圧力にさらされることになったという。
トランプ氏のアカウント凍結は「当時の上場企業としての判断としては正しかったが、ネットと社会にとっては間違っていた」とも語った。
そして、中央集権型のシステムでは原則を満たすのは無理だとし、「唯一の方法はソーシャルメディアの無料でオープンなプロトコルだ」と主張。自身が2019年に立ち上げた独立組織「Bluesky」でそれを目指していると語った。「これは分散型Twitterではなく、ソーシャルメディアをインターネットのネイティブな一部にするための基本的なコアテクノロジー標準の推進」だとしている。
さらに、オープンなネットとプロトコルの取り組みを推進するために新たな助成金を開始し、まずはE2EEメッセージングアプリ「Signal」を提供する米非営利団体Signal Messengerに100万ドルの資金を提供すると語った。
ドーシー氏がブログを公開してから約2時間経った本稿執筆現在、マスク氏はまだこの件についてツイートしていない。
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