「遊んで稼ぐ」は実現可能か? コロプラ創業者が挑む、持続可能なブロックチェーンゲームとは(2/4 ページ)
「ゲームで稼ぐという要素は、ほぼすべてのゲームに、薄く、広く入っていく」。そう喝破するコロプラ創業者が考える、持続可能なブロックチェーンゲームとは?
面白くてお金が稼げるゲームは存在しない
トークンの相場を維持するか上げたい場合は、トークン需要を増やす必要があります。ユーザーはトークンを払ってアイテムを買わないといけない。でもこのユーザーは同時に、トークンをもらいたい(稼ぎたい)と思っている。これでは公式が成り立たちません。
ブロックチェーンゲーム業界の人に「どうやって相場を維持するの?」と聞くと、ほとんどの答えは2つです。一つは「ゲームが面白ければいい」、もう一つは「トークンエコノミーで何とかする」。僕は両方ともダメだと思うんですが。
「ゲームの面白さ」と言いますが、面白いゲームを作るのはめっちゃ大変なんですよ。作ったら分かりますけど。そもそも面白いゲームが作れるならブロックチェーンゲームじゃなくていいだろう、と思っちゃう。
トークンエコノミーは、レアアイテムを次々に提供したり、そのトークンを使うゲームを次々にリリースすればいいという手法です。ゲームをたくさんリリースすれば新規ユーザーが来る、相場が落ちてきたらまた新しいゲームでユーザーを呼び込む……という。まあ実質、不可能ですよね。
面白くてお金が稼げるゲームなんてそもそも、存在しないんですよ。
例えば、ディズニーランドについて考えてみましょう。ディズニーランドは、1〜2万円払っても行きたい人がいるぐらい面白い。そこで、「ディズニーランドに行ったら2万円あげます!」となると破綻しますね。みんな行って、大混雑して遊べない。
ポイントは「他人の価値」を作ること
稼ぐためには「他人の価値」を作らないといけません。仕事もそうでしょう? 他人が評価して、ようやくお金がもらえる。自分の価値や楽しさではなく、他人の価値を創出して初めてお金になるんです。
例えば、歩いたらお金がもらえる「STEPN」。歩くことは面白いし健康のためにもなるけど、それは自分の価値であり、他人の価値ではないから、金銭が発生するのは本来おかしい。Axie Infinityなど他のゲームも同じです。
――ユーザーが作ったものをユーザーに売る「Roblox」や「Second Life」のようなモデルはどうでしょう?
成り立ちます。でも、今のブロックチェーンゲームでそれをやろうとしているのはほぼ皆無。とても面白くて、ユーザーがクリエイトできて、他のユーザーが欲しくなるもの、を達成しているゲームはほとんどない。
「Minecraft」は達成しています。すごい建築物を作ったらみんなが見に来るといったことが起きていますから。でも、ブロックチェーンゲームでそういうのはほぼないです。
――そこまで批判的に見ながらも、なぜブロックチェーンゲームを自ら開発しようと思ったのですか?
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