全自動炊飯器も登場!? 23年注目「3つ」の家電カテゴリー:知らないと損!?業界最前線(6/7 ページ)
新型コロナウイルスの世界的な広がりから3年。2023年が幕を開けた。今回は、アフターコロナが加速するはずの今年、盛り上がりが予想される注目の家電カテゴリーを3つ紹介したい。1つ目は炊飯器市場、次にノンフライ調理器市場、最後にポータブル電源市場だ。
世界的なエネルギーの高騰で普及が進む「ポータブル電源」
22年、多くの人を悩ませたのがロシアとウクライナの戦争をきっかけにしたエネルギーの高騰だ。ガソリン代はもとより、ガス代や電気代も上昇。さらに、現在は落ち着いてきたが、急激に進行した円安もエネルギーの高騰に拍車をかけた。
こうした社会情勢を背景に広がりを見せているのが、ポータブル電源だ。コンパクトサイズで持ち運びができるポータブル電源は、当初、アウトドア需要や災害対策などで注目を集めていたが、ここにきて日常生活での活用が視野に入り始めている。
ソーラーパネルでポータブル電源を蓄電し、その電力を使えば電気代はかからない。冷蔵庫やエアコンといった電力使用量の大きな家電を動かすのは難しいため、電気代を根本的に抑制するまでには至らないが、スマートフォンやノートパソコンを充電するのには十分だ。持ち運びできる便利さに加えて、節電意識の高まりからも注目が集まっているというわけだ。
現在、ポータブル電源で人気なのがJackeryやEcoFlowなどの中国メーカーだ。両社ともに400Wh以下の小容量モデルから、1000Whを超える大容量モデル、2000Wh以上の超大容量モデルまで、数多くのポータブル電源をラインアップしており、選択肢が広い。また、ガジェット関連で知名度が高いAnkerもポータブル電源を手掛けている。
さらに日本国内でも大きな動きが始まっている。22年4月26日には日産自動車とフォーアールエナジー(以下、4R)、JVCケンウッドが「リーフ」の使用済み電池を活用したポータブル電源を共同開発すると発表。22年度内の発売を目指すとしている。価格や容量、販売ルートなどは未定だが、これらの市場投入が始まれば国内のポータブル電源市場は一気に活気付くだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
掃除機市場の2023年を大予測 国内外のメーカーが入り交じる大激戦!?
掃除機は近年、進化を続けている家電の1つ。キャニスター型掃除機を経て、現在はコードレスのスティック掃除機が主流だが、ロボット掃除機の普及も進んでいる。コードレススティック掃除機とロボット掃除機について、最新掃除機市場の動向とトレンドの解説、2023年の市場を予測する。
LINEのスマートスピーカー終了でも、スマートホームの未来は明るいワケ
LINEは10月26日、スマートスピーカー「CLOVA」の販売を31日に終了し、音声操作機能も2023年3月30日に終了すると発表した。現在の日本市場ではスマートスピーカーやスマートホームに停滞感がある。そこでスマートスピーカー市場の現在と、スマートホームの明るい未来を紹介したい。
パナソニック「指定価格制度」 家電量販店はどう捉えているのか?
パナソニックが「メーカー指定価格」を導入し、話題になっている。一部のフラグシップモデルで販売価格を指定し、値引きを認めないというものだが、家電量販店は在庫リスクを負わずに済む。「指定価格」により、家電量販店は今後どうなっていくのか。また他メーカーは追従していくのだろうか。
象印も新規参入「オーブンレンジ」激戦区はミドルクラス、子育て世代に人気の背景
ミドルクラスのオーブンレンジが人気だ。実勢価格は、単機能レンジやエントリー帯のオーブンレンジが1〜3万円程度、ミドル帯が5〜8万円程度、ハイエンド・フラッグシップモデルは10〜20万円程度。このミドルクラスオーブンレンジの人気から、日本の子育て世代のニーズが見えてくる。
バルミューダの流れをくむ「雑貨家電」という新潮流 〜誕生の背景と課題
近年、デザイン性が高く、雑貨店で流通する「雑貨系家電」が注目を集めている。小さなメーカーやほぼ知られていないブランドの製品が、駅ナカやイオンモールなどの雑貨店で販売され、人気を得ているのだ。小さな会社やブランドが家電を企画〜販売するようになった背景や人気を得ていった経緯、今後の課題を紹介する。
