万引き犯の“切り抜き動画”公開で話題の弁当屋、なぜ店内をライブ配信していた?
弁当屋の店内をYouTubeでライブ配信していたら、万引きの瞬間を捉えていた──店内の様子をYouTubeで常時ライブ配信している「キッチンDIVE」(東京都江東区)が話題だ。同店はなぜ店内をライブ配信していたのか。
弁当屋の店内をYouTubeでライブ配信していたら、万引きの瞬間を捉えていた──「キッチンDIVE」(東京都江東区)は、店内の様子をYouTubeで常時ライブ配信していることで知られる弁当屋だったが、現在はそのライブ配信が万引き犯を偶然捉えたことで話題になっている。そもそもなぜ弁当屋の店内をライブ配信しているのか。
同店の店主によると、当初は防犯のために始めたわけではなかったという。「渋谷のライブカメラが話題になった際、うちでも何かできないかと考えた。そこで利用者が店に来る前に、どんな商品を置いてあるか確認できるように2017〜2018年ごろから店内の配信を始めた」と話す。
ライブカメラは利用者からも好評でその後現在まで、YouTube上で配信を続けている。配信を続けていく中で、万引き犯や酔っぱらって店内で暴れてしまう人物を捉えていくようになったという。店主は「店の中でも、ライブ配信している旨を告知する文章は掲載している。にもかかわらず、万引き犯などは出ると思っていなかった」と語る。
しかし1月18日の夕方に事件は発生した。「1月18日午後5時48分頃キッチンdive 御徒町店、店内にて万引き(窃盗)事件発生。キッチンdive YouTubeライブ御視聴様から御報告を頂きました。確認が出来ましたので警察に御報告、相談したいと思います」。当日の店主のツイートには、万引き犯が映ったライブ配信からの“切り抜き”映像を添付した(20日時点では削除済み)。
当初、映像は一般客の顔にも加工を施しておらず、一部のユーザーから「他の客のプライバシーを配慮すべきでは」などの指摘が相次いだ。これを受け、同店は映像付きツイートを削除。「客に対して配慮不足であった」と謝罪し、映像に映っていた客と連絡をとり、プライバシーに配慮した上で再投稿する許可を得た。
キッチンDIVEの場合は以前から店内に「万引きをした場合はTwitter上で映像を公開する」と告知しており、今回はそれを実行したかたち。店主によると、店内のライブ配信を始める前は1日に5件以上の万引きなどの被害が発生していたという。ライブ配信後にはこれが激減し、現在は年間1万円程度の被害。店主は「万引きは体感で100分の1程度に減った印象」と話している。
今後も店内のライブ配信を継続し、万引き犯が現れた際にはTwitterで映像を公開し警察に相談するつもりだと話す。
一方、万引き犯とはいえ、顔が分かる映像を公開することについてはさまざまな議論があり、また警察の捜査に支障が出るからと公開中止を要請されることもあるようだ。
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