Microsoftは増収減益 Azureは好調もリストラコストなどが響く
Microsoftの2022年10〜12月期決算は売上高は2%増、純利益は12%減だった。同四半期に1万人のリストラコスト12億ドルを計上している。「Azureおよびその他のクラウドサービス」の売上高は31%増だった。
米Microsoftが1月24日(現地時間)に発表した2022年第2四半期(2022年10〜12月期)の決算は、売上高は前年同期比2%増の527億4700万ドル、純利益は12%減の164億2500万ドル(1株当たり2ドル20セント、非GAAPベースでは2ドル32セント)だった。ドル高やクラウド部門の成長鈍化に加え、1万人のリストラコストとして計上した12億ドルが影響した。
売上高はアナリスト予測の529億4000万ドルに届かなかったが、1株当たりの純利益は2ドル29セントという予測を上回った。
部門別では、Azureやサーバー製品を担うIntelligent Cloud部門全体の売上高は18%増の215億ドルだった。「Azureおよびその他のクラウドサービス」の売上高が31%増と好調ではあったが、成長は鈍化している。
OfficeやLinkedIn、Dynamicsを扱うProductivity and Business Processes部門の売上高は、7%増の170億ドルだった。企業向け「Office 365」の売上高は11%増で、そのシフトを反映し、ビジネス向けOfficeの売上高は30%減少した。コンシューマー向け「Microsoft 365」のサブスクリプション数は12%増の6320万人だった。LinkedInの売上高は10%増と、これも前期より鈍化した。
Windows、ハードウェア、Xbox、検索のMore Personal Computing部門の売上高は、19%減の142億4000万ドルだった。メーカー向けのWindows OEMは、前期同様に半導体不足でPC製造自体が減少した影響を受け、39%減。Surfaceシリーズなどのオリジナルハードウェアの売上高は、同四半期中に新製品を発売し、ホリデーシーズンもあったにもかかわらず39%減だった。Xboxのハードとソフトを合わせた売上高は12%減だった。
サティア・ナデラCEOは発表文で、「Microsoft Cloudが世界最高のAIモデルを新たなコンピューティングプラットフォームに変えることで、コンピューティングの次の大きな波が生まれている。われわれは、顧客が当社のプラットフォームとツールを使うことで、より少ないリソースでより多くのことを行い、AIの新時代に向けて革新できるよう支援していく」と語った。
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