CNET、AIに記事を書かせたことからの学びを開示
米メディアのCNETは、これまでに77本の記事をAIツールで作成したことからの学びについての記事を公開した。これらの記事中41本に誤りがあると指摘された。問題を回避できると確信したらAIによる記事作成を再開するとしている。
米メディアのCNETは1月25日(現地時間)、経済関連の77本の記事をAIツールで作成し、そのうち41本に誤りがあったことを認め、今後のAIへの取り組みについて説明する記事を公開した。
CNETは当初、これらの記事がAIによるものだとは開示していなかったが、米メディアのFuturismが12日、CNETが昨年11月ごろからAIが作成した記事を掲載していると報じた。Futurismは別の記事で、これらの記事に多数の誤りがあることを指摘し、これを受けてCNETは誤記を修正した。
当初これらの記事をAIが書いたことは明記されていなかったが、本稿執筆現在、著者名は「CNET Money」となり、編集者名が併記され、「この記事はAIエンジンによって支援され、編集スタッフによってレビュー、事実確認、編集された」と明記されている。また、記事末には修正履歴がある。
CNETのコニー・グリエルモ編集長は25日の記事で、これらの77本の記事は、「内部で設計したAIエンジン」のテストの一環として作成したものだと説明した。
グリエルモ氏は、今後もAIエンジンを使った記事の公開を続けるとしている。「AIツールの使用は一時停止したが、人為的エラーとAIエラーの両方を防止できると確信できたら再開する」という。
77本の記事の中には、Futurismが米Forbesの記事に酷似していると指摘したものもある。こうした意図しない“盗作”を回避するため、AIツールが引用する他の公開コンテンツと完全に一致あるいは類似するコンテンツを特定する方法も開発しているという。
「CNETは今後もAIを使ってチームを支援する方法を探究し続ける」としている。
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