楽天モバイル単体で4928億円の赤字 「2023年は勝負の年」と話す三木谷氏の“劇的なコスト削減”策とは?(1/3 ページ)
3期連続の大赤字の中、楽天モバイル事業を軌道に乗せるための道は茨の道だ。「2023年は勝負の年」と話す三木谷氏の戦略を探ってみよう。
「とにかく0円がいいとか、とにかく安いほうがいいというユーザーさんではなく、楽天のロイヤルカスタマーの皆さまを中心にして、健全な成長をしていく」――。
純損益が過去最大の3728億円の赤字となった楽天グループ。2月14日の決算会見で、赤字の元凶となった楽天モバイル事業について、三木谷浩史会長はこう話した。「0円プラン廃止」後、“血を入れ替えた”楽天モバイルは、ARPUが大きく改善し、ユーザー数の減少という出血も止まった。
しかし、3期連続の大赤字の中、楽天モバイル事業を軌道に乗せるための道は茨の道だ。「2023年は勝負の年」と話す三木谷氏の戦略を探ってみよう。
営業損益は3639億円の赤字
2022年12月期の楽天グループ通期決算は、売上高は14.6%伸びて1兆9279億円と好調なものの、営業損益は3639億円の赤字と赤字幅は1692億円も拡大した。その原因は、大きな投資を続ける楽天モバイル事業だ。
楽天モバイル事業は、通期で売上高が3687億円(対前年比62%増)、直近の第4四半期(10-12月)でいえば同75.2%増加するなど伸びてはいるが、赤字額も凄まじい。通期の営業損益は4928億円の赤字。次第に赤字額は減少してはいるものの、直近の第4四半期でも1126億円の赤字となっている。
楽天市場を中心としたインターネットサービスが通期で782億円の黒字、楽天カードを中心とした金融事業が通期で987億円の黒字。これらの黒字を軽く帳消しにする赤字がモバイル事業では発生している。これを2023年内に「なんとか頑張って単月黒字にしていきたい」というのが、三木谷氏の計画だ。
関連記事
- 楽天モバイル、紹介キャンペーン開始 2回線目もOK 紹介した人に7000ポイント
を開始した。既存契約者からの紹介で契約すると双方に楽天ポイントを付与する。紹介者に7000ポイント、紹介された人は3000ポイントと、紹介者特典に力を入れた。 - 楽天モバイル、オンライン契約で即時開通実現へ
楽天グループの三木谷浩史会長は2月15日に行った決算会見で、楽天モバイルの契約に関して「オンラインで即時開通という発表が近々できる」と話した - 追い込まれた楽天モバイル、黒字化に向けなりふり構わず 楽天市場の出店者にも契約依頼
三木谷氏は、脇目も振らず楽天モバイルのためなら何でもする構えだ。23年は、楽天モバイルにとって1つの勝負の年となる。なぜなら楽天モバイルは23年中に単月黒字化を目指しているからだ。 - 楽天モバイル、プラチナバンド24年3月からの開始を目指す 終了促進措置は「使わない」
楽天モバイルは11月11日に行った楽天グループの決算会見で、獲得の見通しとなったプラチナバンドについて「2024年3月からの使用開始を目指す」とした。 - 楽天モバイルの我は通るのか? プラチナバンド争奪戦の行方
これまで楽天モバイルは、電波政策懇談会において「プラチナバンド」(700M〜900MHz帯の周波数)を求めてきた。しかし、楽天モバイルと既存3社の見解の溝は埋まっていない。 - 楽天モバイル、法人プラン登場 国内通話かけ放題+30GBで月3058円のプランも
楽天モバイルが法人向けモバイル通信サービス「楽天モバイル法人プラン」の提供を開始した。専用アプリを使えば、国内通話かけ放題、SMSが無料で利用可能になる。海外でも、国内への通話とSMSが無料だ。料金は月額2178円から。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.