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楽天モバイル単体で4928億円の赤字 「2023年は勝負の年」と話す三木谷氏の“劇的なコスト削減”策とは?(3/3 ページ)

3期連続の大赤字の中、楽天モバイル事業を軌道に乗せるための道は茨の道だ。「2023年は勝負の年」と話す三木谷氏の戦略を探ってみよう。

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まだ足りない3200億円を売り上げでカバーできるか?

 売上高はユーザー数とARPU(ユーザーあたり売上高)の掛け算となるが、こちらの見通しはどうか。

 衝撃の「0円プラン廃止」後、一時はユーザー数は減少に転じたが、そこから盛り返し、23年1月時点で451万8000人まで増加した。1月のユーザー数の伸びは対前年同期比で16%だ。一方、ARPUは全員が課金ユーザーとなったこともあり大きく上昇し、22年12月時点で2510円となっている。


「0円プラン廃止」後、ユーザー数は純減となったが、“血が入れ替わった”結果、ロイヤルカスタマーが増加し純増ペースが戻ってきている

0円ユーザーがいなくなり、当然ARPUは増加した。ただし2510円というARPUには「エコシステムARPUアップリフト」という、モバイル以外の楽天市場などへの売上貢献額を入れ込んでいることには注意が必要だ

 ざっくりいうと、ユーザー数が1.5倍になり、ARPUも1.5倍になれば売上高は2.25倍となる。通期黒字には、このくらいの規模感が必要というわけだ。

 もちろん、楽天モバイルが23年に目指すのは単月黒字。ただし、その見通しについて問われた三木谷氏の回答は自信に満ちたものとはいえなかった。「なんとか頑張って単月黒字にはしていきたい。コストはコントロールして劇的な削減をするが、一方新規加入の増加を図っていかなくてはならない。大きな要因は人口カバー率が上がり、将来的なプラチナバンドの獲得にも期待している」

 22年は社債発行などを繰り返し資金調達を行ったが、「今後、有利子負債を増やす予定はない」とも話した。発表済みの、楽天銀行と楽天証券ホールディングスの上場による資金調達を確実に実行するという。

 これ以上、コストも掛けられず追加の資金調達も難しい中、今まで以上の成長も果たさなければならない。確かに楽天モバイルにとって、「2023年は勝負の年」になりそうだ。

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