JRの券売機が「使いづらい」と話題 なぜ今のUIになったのか?(3/3 ページ)
JRの駅にある券売機のユーザーインタフェースが話題だ。下記のツイートは一例だが、一般的な利用者が考える切符購入の“導線”とは異なるトップメニューから目的の切符を選ぶことになり、初見で理解するのは難しいのではないかという声もある。
券売機からチケットレスの時代に
重要なのは、一連の流れでJRが有人窓口を閉鎖して券売機へと利用者を誘導しようとしているのではなく、インターネットを使った事前発券をアピールし、こちらの利用を今後増やしていこうと考えている点だ。現状、JR東日本が提供する「えきねっと」では指定席券の予約や購入が可能だが、切符の受け取りのために指定席券売機または窓口に並ばなければならない。改札の通過のために磁気切符の発券が必要だからだ。
だが現在同社では2024年以降に東北エリアを中心に改札へのQRコード読み取り機の導入を進めており、磁気切符なしにスマートフォンなどのモバイル端末のアプリ上にQRコードを表示させるだけで改札を通過できるよう準備している。えきねっとの利用が難しい外国人のインバウンド旅行者は引き続き指定席券売機を使うか、有人窓口に並ぶ必要があるが、母数でいえば最も多い国内旅行者の需要をインターネットによる発券システムにまわすことができる。
指定席券売機がどこまで主役であるかは分からないが、少なくとも“チケットレス”乗車が当たり前になる数年先まではその役割は変わらない。
かつて、JR東日本で発行していた磁気プリペイドカードの「オレンジカード」登場以降、交通系ICカードの「Suica」、そして「モバイルSuica」が広く利用され、駅から近距離区間の券売機が徐々に消えていったように、同じくらいの期間をかけて緩やかにチケットレス乗車へと移行していくことになる。今日においても、この近距離区間の券売機が完全消滅していないように、指定席券売機もまた今後も割と長い期間にわたって残っていくと考えられる。
そうなると、必然的にユーザーが指定席券を購入するのは「えきねっと」ということになり、「ユーザーフレンドリーじゃない」とされたマルス端末の操作画面から、いかにえきねっとのユーザーインタフェースが改良されていくかにかかっている。
【訂正:2023年2月22日午前11時30分】 指定席券売機の画像に誤りがあったため差し替えました】
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