「H3ロケット」打ち上げ失敗でJAXA会見 「早急に原因究明を図る」
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の次期主力ロケット「H3」の試験1号機が3月7日、打ち上げに失敗した。第2段エンジンが点火しなかった理由については「早急に原因究明を図る」と説明している。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、次期主力ロケット「H3」の試験1号機の打ち上げ失敗について、3月7日午後2時から記者会見を開いている。失敗は第2段エンジンが点火しなかったためだが、その理由については「早急に原因究明を図る」と説明するにとどめた。
試験1号機は予定時刻の7日午前10時37分55秒に打ち上げられ、補助ブースターの分離、第1段エンジンの分離まで順調に進んだものの、第2段エンジンに点火せず、ミッション達成が困難と判断されたことから、打ち上げ後835秒で指令破壊信号を送信。フィリピンの東方沖海上に落下したとみられる。
H3に搭載されている第2段エンジンは「LE-5B-3」と呼ばれるもので、H-IIAロケットに搭載されていたものをベースに長燃焼秒時化を図っている。電気的なイグナイターで酸素と水素を燃焼させて着火する仕組み自体はH-IIAと同じだが、電気的なネットワークは別物という。
ただし、現時点ではエンジン自体に着火しなかったという事実しか判明しておらず、「どうして着火しなかったかは今後の原因究明にかかっている。早急に原因究明を行うとともに、H-IIAへの影響の有無を確認する」という。ただし、今後のH-IIAの打ち上げをストップするわけではなく、並行しながら原因を探るとしている。
また、搭載されていた先進光学衛星「だいち3号」については、再開発の要否を含めて関係省庁や民間企業と協議するとしている。後に控える「だいち4号」についても、今回の事態を受け、ロケット側の失敗の要因分析を踏まえたうえで、今後の打ち上げスケジュールを検討するとしている。
関連記事
- H3ロケット、打ち上げ失敗 第2段エンジン点火せず 指令破壊信号を送信
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月7日、次期主力ロケット「H3」の試験1号機を種子島宇宙センターから打ち上げたが、第2段エンジンが点火せず、打ち上げは失敗となった。 - H3ロケット、きょう再打ち上げへ ライブ配信も実施
打ち上げを延期していたJAXAの次期主力ロケット「H3」の試験1号機について、3月7日午前10時37分55秒に再打ち上げを実施する。 - 打ち上げ中止「H3」会見で共同記者の質問に批判相次ぐ ロケットを救った「フェールセーフ」とは
打ち上げ中止となった次期主力ロケットの「H3」。17日午後2時からJAXAの公式チャネルで記者会見が配信されたが、そこで話題となったのが共同通信のとある記者の質問だ。 - 日本の新型ロケット「H3」打ち上がらず 補助ブースター点火に失敗、「メインエンジン」がトレンド1位に
2月17日に打ち上げ予定だった新型ロケット「H3」の試験1号機について、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は打ち上げを中止した。打ち上げ段階でメインエンジンの点火まで進んだものの、補助ブースター「SRB-3」が点火しなかった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.