東日本大震災から12年、もう一度、防災について考えてみよう:デジタル防災を始めよう(2/2 ページ)
ヤフーの「スマホ避難シミュレーション」は震度6強の地震が発生した時の避難を疑似体験するコンテンツ。地震後に発生しうる火災の危険性を織り込んだ他、心理的な傾向、デマ情報に対する心構えなど啓発の要素をクイズに盛り込んだ。
まず身を守る
災害が発生した際は、まず身を守る(初撃を回避する)ことが重要だ。屋内の家具を固定をしておくなど対策をしてあれば、怪我の危険性も減らせる。怪我をしてしまっては、避難行動や避難生活にも支障が出てしまう。
スマホ避難シミュレーションには「LINEスマート通知」で安否確認をする場面が登場する。普段から家族や友人たちとの連絡をLINEでとっている場合には、災害伝言ダイヤルの利用と併せて活用するのも良いアイデアだ。一方で基地局も被災してスマホも使えない状況も考えられるため、連絡が取れない場合などの家族との合流場所や行動計画もあらかじめ話し合っておきたい。
またヤフー防災速報アプリには「防災タイムライン」という機能がある。事前に取り決めたことを時系列に沿ってマイタイムラインとして設定しておけば、災害が発生して気が動転している時にも必要な行動リストとして活用できる。
スマホ避難シミュレーションでも、いわゆる正常性バイアスなど「自分だけは大丈夫」といった思い込みで避難行動に移れない人が登場する。周囲に人がいれば声を掛け合うなどで避難を促せるが、1人の時にこういったアプリがとるべき行動を指し示してくれるのは有用だろう。
自宅や会社に防災用品を備えている人も、外出先で災害に遭ったら身一つで避難しなければならない。そういう意味ではスマートフォンとそこにインストールされているアプリは、常に身に付けている防災グッズともいえる。
小型のLEDライトやモバイルバッテリーなどを小さなポーチに入れて持ち歩くEDC(EveryDay Carry)という防災のアイデアがある。絆創膏や爪切りなどを中心にEDCに入れておくと、普段から役に立つ。食料のローリングストックも同じ。普段の生活に防災アイデアを取り込んでいくのはとても有用だ。
災害は、被災する場所や個人個人の立場や状況によって取るべき行動も異なる。あらかじめ災害について考えておき、どう対処するか、どこへ避難するかなどを考えておくだけで「想定外」を減らせる。ヤフーのスマホ避難シミュレーションはその気づきを与えてくれるはずだ。
ヤフーの担当者は「ご自身はもちろん、大切な人と一緒に参加していただき、将来のためにスマホで備えて防災について改めて考えるきっかけになれば」と話していた。
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