秘密鍵不要なNFT向けウォレット NFTの送受信も可能 Nudgeが開発(2/2 ページ)
クレジットカード事業を営むフィンテック企業Nudgeは、ライトユーザー向けのNFTウォレット「Nudge NFT Wallet β」を開発、自社アプリに組み込んで提供を開始した。MetaMaskなどの一般的なウォレットに比べ、NFTの取り扱いを強化した。
マス層に向けたNFTウォレットながら、あえて通常の仮想通貨ウォレットを開発した。
「マス層に導入するため使いやすさを追うとクローズドなサービスになってしまう。すると、NFTをインスタに上げたりTwitterのアイコンにできない。また、ユーザーだけでなくIP(コンテンツの権利者)からも『偽物、NFTではない』と言われてしまう場合がある」(Nudgeの沖田貴史社長)ことから、本物を目指した。
クレジットカード決済をすると、金額に応じてNFTを送付
ウォレットはクレジットカード「Nudge」のアプリに統合している。2021年9月にスタートしたNudgeは、スポーツクラブやミュージシャンと提携し、そのクラブ限定のクレジットカードを発行できるサービスだ。
ファンがNudgeを使って一定額の決済を行うと、クラブからデジタルコンテンツが特典として送られる特徴を持つ。このデジタルコンテンツとして受け取れるのがNFTだ。
例えば、加藤ミリヤさんのNudge上のクラブに参加すると、カードの利用金額に応じてライブ画像のNFTのガチャをひくことができる。また、SAMURAI SONICのクラブでは、東京ドームシティで行う音楽フェス会場でQRコードを読み取るとNFTを取得できる。
条件を満たした人にNFTを配布するエアドロップも可能なため、「例えば、イベントの全会場を制覇すると限定NFTを提供することもできる」(沖田氏)
今後は、Nudgeのアプリ上でNFTの販売やユーザー間売買が可能になる仕組みも検討していくという。「ファン同士が、ライブ会場でカードを交換するように、NFTを交換できるようにしていきたい」(沖田氏)
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Nudgeに特徴は大きく2つある。1つが、スポーツチームやアスリート、アーティストなどとの提携だ。もう1つは、フィンテックスタートアップで一般的なプリペイドカードやデビットカードではなく、敢えてクレジットカードを発行する点だ。黒字化ラインは、ユーザー数25万人。2年後の黒字化を目指すという。
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