仕事で使うGPT-4実践テクニック 実際に「AIアートグランプリ」の事務局で使ってみた:清水亮の「世界を変えるAI」(5/5 ページ)
第一回AIアートグランプリの興奮もさめやらぬなか、GPT-4があっさりと公開。せっかくなので、まずは第一回AIアートグランプリの報告書をGPT4にまとめてもらってみる。さらにChain of Thoughtでキャッチフレーズを考えさせるなど、事務局の仕事に活用してみた。
事務局として次回をもっと盛り上げるためにはどうすればいいのか聞いてみた。
なるほど。月並みな答えだ。GPT3.5だったら、この答えで満足しなければならないだろうが、GPT4はもう一段階先へ行ける。
こう聞いてみた。
学生や若手クリエイターむけの特別部門の新設と海外への展開という2つの新基軸が出てきた。参考になりそうだ。
Chain of Thoughtでキャッチフレーズを考えさせる
さらに、大会にふさわしいキャッチフレーズを考えてもらった。まず20案挙げた上で、最後に組み合わせて一つの最適なフレーズを考えてもらうことにする。これはChain of Thought promptingという手法で、大規模言語モデル(LLM)に一段深い思考をさせるテクニックだ。
結果的に「AIと共創する新たな世界:未来のアート、ここに誕生」というキャッチフレーズが得られた。これは相当にそのまま使えそうだ。なかなかいい案ではないかと思う。
このように、GPT4になると本格的なビジネスのレポートを効率的に作ることができる。
他にもいろいろな使い方があるが、結局は使う人間の想像力の差が出てくることになると思う。
これから我々は、「どう書くか、どう考えるか」ではなく、「どう書いてもらうか、どう考えてもらうか」そして「自分はそれをどう評価するか」ということを考えることにむしろ多くの時間を割かなくてはならなくなるだろう。
筆者プロフィール:清水 亮
新潟県長岡市生まれ。1990年代よりプログラマーとしてゲーム業界、モバイル業界などで数社の立ち上げに関わる。2005年、IPA(情報処理推進機構)より「天才プログラマー/スーパークリエイタ」として認定。株式会社ゼルペム所属AIスペシャリスト。現在も現役のプログラマーとして日夜AI開発に情熱を捧げている。
関連記事
- なぜ人々は、ChatGPTという“トリック"に振り回されるのか? Google「Bard」参戦、チャットAI戦争の行方
OpenAIが2022年に発表した対話型AI「ChatGPT」の衝撃は、米国ビッグテック最強の一角であるGoogleを動揺させた。Googleは急ぎ「Bard」と名付けたチャットボットを投入し、巻き返しを図る。 - 「GPT-4」は来週登場か? 独Microsoft CTOが言及
OpenAIによる大規模言語モデルの最新バージョン「GPT-4」が来週にもお目見えしそうだ。Microsoftドイツ法人のCTO兼リード・データ&AI STUのアンドレアス・ブラウン氏が、GPT-4が来週にも発表になることを明らかにした。 - 日本を画像生成AIで再現する 「自分の見た景色」を学習したAIは強力な思い出再生装置に
AIで漫画を書こうとするとひとつ不便なことがある。StableDiffusionの元になっている学習データは「全世界」の画像を使っているので、日本人がイメージするような「郵便局」とはまったく異なるイメージになってしまう。そこで街のあちこちの景色を写真に撮った。これをAIに学習させて、独自の日本的な画像生成AIを作ろうというのだ。 - AIで好きなポーズを出すために、モデルを10万枚撮影して手動でタグ付けしてみた
最初にAIで漫画を描くときのハードルは、「同じキャラクターが出せない」というものだったが、これはDreambooth(Memeplexではカスタムモデル学習)を使うことで解決できた。次のハードルは、「欲しいポーズが出せない」というものである。 - AIでどこまでできる? 絵心のないプログラマーが「ChatGPT」と「作画AI」でマンガを描いてみた
クリスタにAI作画機能搭載が見送られたと聞いて、なるほどなあと思いつつ、では絵が全く描けない筆者が、AIを使って漫画を書くことはできるのか、実際にやってみることにした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.