親子愛の伝道師「EOS Kiss」30年の歴史 「テキトーに僕らを撮らないで」は何年前?:荻窪圭のデジカメレビュープラス(6/6 ページ)
キヤノンから「EOS R50」が発売され、明言はしていないものの業界筋的には「Kissの名が付くカメラはもう出ないだろうな」という感じになっている。EOS Kiss誕生から30年という節目の年でもあるので、ここでちょいとEOS Kissの歴史を振り返ってみたい。
2023年、満を持して登場した「EOS R50」
RFマウントの登場でEOS Kiss Mはどうなるか。
多くのカメラ好きはうすうすと「今後はRFマウントに一本化されるんだろうな」と感じていたんじゃなかろうか。
そして2022年の5月、RFマウントのAPS-Cサイズセンサーのミラーレス一眼「EOS R7」と「EOS R10」が登場したのである。
特に「EOS R10」は小さくて軽く、このまま「Kiss R」として売ってもイケるんじゃないかと思ったほど。
「EOS R10」が出たということは、この先もっとファミリー向けにした「EOS Kiss R」が出てもおかしくない。そうなったら、「EOS Kiss X」「EOS Kiss M」「EOS Kiss R」とマウントが異なるKissが3つもあってまぎらわしくてしょうがなくなるんだが、そのときは「EOS Kiss R」に収斂されるのだろうなと思っていたわけである。
そうしたら、EOS Kiss誕生から30年、EOS Kiss Mから5年という2023年初頭、しかもEOS R7/R10から1年たたないうちに、EOS R50が発表されたのである。この動きの早さはなに!
Kissの名はついてないが、EOS Kiss Mの海外での名称がEOS M50であること、EOS R50はワールドワイドで同じ名前であることを考えると、「EOS R50」はEOS Kiss R的な位置づけであることに間違いはあるまい。
ここで名称は統一され、Kissシリーズは役目を終えようとしてるのである(たぶん)。
まだKissの名を冠した現行機が残っているので「EOS Kiss」がなくなったわけじゃないし、将来「EOS Kiss R」が復活しないとも限らないわけだが、ワールドワイドで名称が統一されるのはいいことだし、今のご時世的に「Kiss」という名前はどうよ、とも思うわけで、30年間おつかれさまでした。
こうして駆け足で振り返ってみると、30年前に「初心者向け」よりも「ファミリー向け」をアピールし、子供を撮るお母さんのイメージを前面に押し出したのは素晴らしかったなと思う。
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