理化学研究所は4月7日、3月に稼働を始めた国産超電導量子コンピュータ初号機の愛称を募集すると発表した。多くの人たちに親しみを持ってもらうことが目的。応募期間は5月31日までで、結果は7月末に発表する。
募集するのは愛称と読み仮名、解説。愛称は日本語とアルファベットのどちらでもよく、1人で複数応募できる。採用者には記念品を贈呈する他、愛称と併せて採用者の名前や在住都道府県もWebサイト上で公開するという。なお、愛称の全ての権利は理研に譲渡される。
理研は愛称に期待することとして「国産として初めてクラウド公開した量子コンピュータであることを知っていただけること」「日本発の量子コンピュータ実機として、国際的な発信にふさわしい名前であること」「日本国内のみならず、世界中の方々にとっても親しみやすい名前であること」を3つを挙げている。
審査基準については「応募数が多い愛称が採用されるわけではない。寄せられた愛称案の中から、研究グループによる選考の上、決定する」としている。
理研は3月27日、初の国産量子コンピュータを使った「量子計算クラウドサービス」の提供を始めていた。非商用利用であれば、クラウド経由で64量子ビットの超電導式量子コンピュータを使える。利用料は無料で、当面は理化学研究所と共同研究契約を結んだ研究機関などに向けてのみ提供する。
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