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eMAXIS Slim”オルカン“、Tracers対抗の信託報酬引き下げは行わず 「公正な比較対象とならない」(2/2 ページ)
「Tracersオールカントリーに追随した信託報酬の引き下げは行わない」。競合投資信託である「eMAXIS Slim オールカントリー(全世界)」を運用する三菱UFJ国際投信は、ITmediaの取材に対し、こうコメントした。
“業界最低水準のコスト”の旗は下ろさず
かといって“業界最低水準のコストを将来にわたって目指し続ける”という旗を下ろすわけではない。
「最低水準の運用コストを目指すというのは、トータルの運用コスト、その他費用も含めたコストを低減する努力をしていく、ということ」だと三菱UFJ国際投信は話す。Tracersオールカントリーの運用が開始され、運用報告書に総経費率が掲載されるようになって初めて、実際のコストを比較できるようになる。そこがさらなる信託報酬引き下げが必要かどうかを判断するタイミングだということだ。
eMAXIS Slimシリーズが牽引してきた国内インデックス投信のコスト引き下げ競争は、行き着くところまで行った感もある。
信託報酬は0.1%を切る水準まで低下したが、相対的にそのほかの実質コストが大きくなっているからだ。売買委託手数料、有価証券取引税、保管費用、監査費用などの「その他費用」は0.05%前後ある場合が多く、指数からのかい離を示すトラッキングエラーもその水準を超える。もはや信託報酬そのものよりも、隠れコストやトラッキングエラーが、実際のパフォーマンスを左右する水準になってきている。
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