Meta、「効率化」奏功で4四半期ぶりの増収 「AIとメタバースが主要な波」とザッカーバーグCEO
Metanの1〜3月期決算は、4四半期ぶりの増収。大規模リストアのコストとメタバース部門の大幅赤字で減益だった。ザッカーバーグCEOは「Metaがメタバースから離れようとしているという話が展開されているがそれは正確ではない」と語った。
InstagramやFacebookを運営する米Metaは4月26日(現地時間)、第1四半期(1〜3月)の決算を発表した。売上高は前年同期比3%増の286億4500万ドル、純利益は24%減の57億900万ドル(1株当たり2ドル20セント)だった。4四半期ぶりの増収だ。
2回にわたる大規模リストラのコスト11億4000万ドルが純利益減に影響した。5月にもさらなるリストラを予定している。Questシリーズのヘッドセットやメタバースを担うReality Labsの赤字増加も影響した。
売上高、純利益ともにアナリスト予測(売上高は276億5000万ドル、1株当たり純利益は2ドル3セント)を上回った。
第2四半期の売上高予想は、295億ドルから320億ドルとした。
マーク・ザッカーバーグCEOは発表文で「われわれのAIの取り組みは、アプリとビジネス全体で良い結果をもたらしている。また、効率性も向上しているため、より優れた製品をより迅速に構築し、長期的なビジョンを実現するためのより強力な立場に立つことができる」と語った。
Metaが「ファミリー」と呼ぶFacebook、Instagram、Messenger、WhatsAppをまとめた日間アクティブユーザー数「DAP(Daily Active Person)」は前年同期比5%増の30億2000万人だった。
セグメント別では、広告の売上高は4%増の281億1010万ドル、ファミリーアプリの広告以外の売上高は5%減の2億500万ドル、メタバース関連のReality Labsの売上高は51%減の3億3900万ドルだった。Reality Labsの営業損失は39億9200万ドル。
業績発表後の電話会見で、ザッカーバーグ氏は同社のロードマップを推進する2つの主要な技術の波として、AIとメタバースを挙げた。
AIについては、すべての製品のレコメンデーションとランキング機能にAIを導入し、全く新しい製品と体験を可能にする新しい生成基盤モデルを構築し、向こう数カ月にわたってリリースすると語った。
ザッカーバーグ氏は「どういうわけか、Metaがメタバースから離れようとしているという話が展開されているが、それは正確ではないと言いたい。われわれは何年もの間、AIとメタバースの両方に注力してきたし、今後も両方に注力していく。この2つの領域は関連しているのだ」と語った。
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