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次はETHステーキング 大和証券グループ傘下のFintertech、新社長が目指すWeb3とは(2/2 ページ)

大和証券グループ本社とクレディセゾンの合弁会社であるフィンテック企業Fintertechにグループ最年少となる、42歳の新社長が就任した。大企業傘下のフィンテック/クリプト企業において、新社長は何を目指していくのか。相原社長に聞いた。

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ETHステーキングに関する事業を始める

ーー事業の次のマイルストーンは。

相原氏 暗号資産事業を幅広くやっていきたい。現在の暗号資産担保ローンからデジタルアセットファイナンス事業に拡張していくことを考えている。その中で、まずはETHステーキングに関する事業を始めていきたい。


PoSに移行したEthereumは、32ETHをデポジットすることで、ステーキング報酬を得られる。ETHのステーキングにはいくつかの方法があるが、事業者がサポートすることでステーキングが容易になる(画像はEthereum.orgのステーキングの解説より)

ーー金融機関なしに、ブロックチェーン上のプログラムでサービスを提供するDeFiについてどう見ているか。

相原氏 中長期では大事なトピックだ。Web3のどれをやるにしても、DeFiとの掛け合わせが前提になる。どのトークンでもスマートコントラクトと切り離せない。最後にはすべてがトークン化するとともにDeFiとして動くようになるだろう。

 ただしマネロン対策に関する課題があることから、今後厳しい規制が敷かれる可能性が高い領域だ。金融機関での扱いには慎重な検討が求められる。

 一方で、CeDeFiには注目している。CeDeFiとは、中央集権型とDeFiのハイブリッド型のようなもの。CeDeFiによって、しっかりと規制に対応したDeFiが作られることで、金融機関としても自由に試せるようになる。CeDeFiはわれわれが関与できる未来だと思っている。

ーー2022年に比べWeb3がトーンダウンしている。

相原氏 ChatGPTの影響が大きい。もともとフィンテックのR&Dをやっていたので、さまざまな技術を見る中で、ChatGPTのすごさはよく分かる。企業のビジネスでは、完成している技術の優先度はどうしても高くなる。ChatGPTはすぐに成果が出そうだと考えると、関心が移るのは当然だ。

 しかし、Web3の未来は揺らがないと思っている。AIとブロックチェーンは、レイヤーがかなり違う技術だ。ChatGPTはプロセスのレイヤーだが、ブロックチェーンは基盤としてのデータの保管や移動機能の上にプロセスも載っている、よりインフラに近い技術だ。インフラ技術は、紙がインターネットに変わるような社会の構造を変える可能性がある。

 AIとWeb3は食い合うものではないが、目先のお金、人材がChatGPTに取られているのは事実だ。しかし中長期で見なくてはならない。

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