マイナカードをAndroidスマホに入れてみた 何が便利で何ができる? iPhone対応は?(2/3 ページ)
5月11日に、マイナンバーカードのスマホ用電子証明書搭載サービス、いわゆる「カード機能のスマホ搭載」がスタートした。「マイナカードがスマホに入る」なんて言われているが、何ができて何ができないのか。実際にスマホにマイナカードを搭載してみた。
マイナカードよりも何が便利か
オリジナルのマイナカードよりも、スマホに搭載したほうが便利な点もある。まず、マイナカードの機能のうち、スマホに搭載されるのは電子証明書だけだ。そのためマイナカードに記載されているマイナンバーが、スマホで見られるようになるわけではない。マイナカードは身分証明書でもあるため、紛失すると悪用されるリスクがあるが、スマホ搭載についてはリスクが限定的だ。
電子証明書の利用も容易になる。マイナカードでは、電子証明書を利用する際に必ずパスワードも入力する必要があった。これを複数回間違えるとロックされてしまい、役所に行かないと復旧できない。ところが、スマホに搭載した電子証明書ならば、生体認証を暗証番号の代わりに使うことができる。これはかなり便利だ。
実際にマイナポータルアプリへのログインする場合、マイナカードを使う場合はパスワードを入力してカードを読み取る必要がある。スマホ搭載電子証明書を使えば、アプリがスマホ内の電子証明書を読み取るので、生体認証を行うだけでログインできる。極めて簡単だ。
ただし生体認証で代替できるのは、4桁数字のパスワードを使う利用者証明用電子証明書だけで、6〜16桁の英数字を組み合わせた署名用電子証明書のほうはパスワードを入力する必要がある。これはセキュリティと利便性との兼ね合いで決まったことのようだ。
何ができるのか
ではスマホ搭載マイナカードで何ができるのか。5月11日時点では、マイナポータルの利用がメインだ。税金情報や年金関係、医療情報などをスマホだけでチェックできるほか、7月からは行政手続きをオンラインで行える「ぴったりサービス」や、10月からは話題の「コンビニ交付サービス」が利用できるようになる予定。
民間では、本人確認が厳格かつ容易になる。銀行口座開設時などに、これまでは免許証などを写真で撮影することで本人確認(eKYC)を行っていたが、スマホ搭載電子証明書を利用すれば、生体認証だけで本人であることが確認できるようになる(記事参照)。
また24年度には健康保険証としても利用できるようになる予定だ。これが実現すれば、健康保険証もマイナカードも持ち歩くことなく、スマホだけで病院受診が可能になる。さらに、2025年には24年分の確定申告にも利用できるようになる見込みとなっている。
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