Twitter(X社)のCEOは広告のプロ、リンダ・ヤッカリーノ氏に
Twitterのオーナー、イーロン・マスク氏は5月12日、リンダ・ヤッカリーノ氏をTwitterとXのCEOに迎えると発表した。ヤッカリーノ氏は米広告業界のベテラン。4月にマスク氏の公開インタビューを行っていた。
Twitterのオーナーであるイーロン・マスク氏(51)は5月12日(現地時間)、米メディア大手NBCUniversalの広告責任者、リンダ・ヤッカリーノ氏(60)をTwitterのCEOに迎えるとツイートした。NBCUは同日、ヤッカリーノ氏の退社を発表した。
マスク氏は前日、Twitterとこれを運営するXの新CEOを雇ったとツイートしたが、具体的な名前は明かしていなかった。
ヤッカリーノ氏は2011年からNBCUの広告およびパートナーシップ担当会長を務め、同社の広告販売部門を率いて年間1000億ドル以上の収益を上げた実績を持つ。NBCUは先週、2024年のパリオリンピックに向けたTwitterとの提携を発表した。
マスク氏は4月18日、マイアミで開催されたマーケティング関連イベントでヤッカリーノ氏の公開インタビューを受けた(リンク先はインタビューの収録動画)。この対談では、マスク氏は主にTwitter改善構想「Twitter 2.0」について語った。
マスク氏は「リンダ(ヤッカリーノ氏)は主に事業運営にフォーカスし、私は製品設計と新技術にフォーカスする。リンダと協力してTwitterをすべてのアプリであるXに変えることを楽しみにしている」とツイートした。“すべてのアプリであるX”とは、同氏がたびたび言及しているモバイル決済も動画投稿も、あらゆることをできるアプリだ。中国Tencentのアプリ「WeChat」のようなものを目指しているとみられる。
マスク氏は昨年10月にTwitterを440億ドルで買収したが、迷走気味な運営で米Microsoftなど、パートナーや広告主が離れている。
ヤッカリーノ氏はTwitterだけでなく多数の企業との関係を築いてきた実績を持つ。この実績は、Twitterが再度広告主を呼び戻すのに役立ちそうだ。
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