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BOOTHがAI対策を公開 独自性のない作品は検索結果に載せない 人でもAIでも
ピクシブが、作品販売サイト「BOOTH」におけるAI生成作品への対応方針を発表。人が作ったかAIが作ったかを問わず、他作品と差別化できていない作品は、検索結果から除外するとい。
ピクシブは5月16日、作品販売サイト「BOOTH」における、AI生成作品への対応方針を発表した。人が作ったかAIが作ったかを問わず、他作品と差別化できていない作品は、検索結果から除外する。
「主にAI生成作品に顕著に見られる、同一の制作技術を用いたことによる他と差別化されていない作品を出品するショップに対しては、順次該当ショップの全出品物を検索結果に掲載しないようにする」(同社)という。具体的な基準は「境界付近を狙う悪質行為を防ぐ」として公開しない。
ピクシブによればBOOTHでは、一部ユーザーがAIで生成した作品を大量出品する行為が目立っているという。BOOTHにおけるAI生成物の出品傾向については以下のように説明している。
- 成果物の独自性が薄く、かつ、同じものばかりが並ぶ傾向を加速させやすく、検索画面での閲覧体験を阻害することがある
- 低い生成コストで作品が大量生成・出品され、また利用規約やガイドラインに違反する例が多々見られるため、規約に即した商品か確認するなどの運営コストが増加し、健全なサービス運営が難しくなっている
そこで独自性の少ない作品は検索結果から除外し、他の創作物の販売機会を守るという。人とAIの双方が対象なのは、目的はあくまで過剰な出品の抑止にあるためと説明。「制作の過程を問わず、同様の行為があれば、AI生成に限らない問題として解決していく所存」と方針を示した。
ただし、今後も状況が改善されない場合は、AIで生成した作品の大半、もしくは全てを禁止する可能性もあるという。AIを使った作品を投稿するユーザーに対しては、利用規約などを改めて確認するよう呼び掛けている。
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