「arrows」のFCNT、スマホの製造・販売を“速やかに”停止へ ドコモはサポート継続を表明
スマートフォン「arrows」シリーズなどを手掛けるFCNTは5月30日、親会社のREINOWAホールディングス、その傘下のジャパン・イーエム・ソリューションズとともに民事再生手続きを申請したと発表した。本日以降、製造販売を速やかに停止する一方、携帯大手のドコモはサポート継続を表明している。
スマートフォン「arrows」シリーズなどを手掛けるFCNTは5月30日、親会社のREINOWAホールディングス、その傘下のジャパン・イーエム・ソリューションズとともに民事再生手続きを申請したと発表した。帝国データバンクによると、2022年3月期時点で、グループ全体の負債は約1432億円におよぶという。
同グループが手掛ける事業のうち、シニア向けSNSサービスなどについては複数の事業会社から承継・支援する旨の意向があったものの、プロダクト事業のうち、携帯端末の製造・販売事業、ソリューション事業についてはスポンサー支援の意向が表明されておらず、「本日以降速やかに事業を停止させていただく」という。
あわせて、携帯端末の修理・アフターサービス事業においても、スポンサー支援がない状況においては継続が困難な状況にあるとして、事業を一旦停止。事業再開については、携帯キャリアを含め関係各位と協議するとしているが、同日にはNTTドコモがサポートを継続する旨を発表した。
今後については「スポンサーの意向次第では、これらの事業を再開する可能性もある」としているが、当面は事業停止が続く見込みだという。「弊社といたしましては、裁判所及び監督委員の関与の下、全役職員一丸となって弊社事業の再生に全力を尽くす所存」と表明している。
同社は、富士通のモバイルフォン事業を前身としており、2016年に富士通コネクテッドテクノロジーズとして分社化。2021年には現社名に変更するとともに富士通グループから独立した。しかし、携帯端末市場の成熟化などにより売上が伸び悩む中、昨今の円安の進行、世界的な半導体不足の影響によって原価・費用が急激に高騰し、REINOWAグループの収益・資金繰りが急速に悪化したとしている。
関連記事
- 「arrows」スマホ製造のFCNTが民事再生へ 販売数減、半導体不足など重なり
スマートフォン「arrows」シリーズや「らくらくスマートフォン」を製造するFCNTとグループ会社のジャパン・イーエム・ソリューションズ、持株会社のREINOWAホールディングスが民事再生手続きを申請した。 - 京セラ、個人向けスマホから撤退へ
京セラが個人向けスマートフォンから撤退する。5月15日に開かれた同社の決算説明会において、谷本秀夫社長が明言した。2025年3月までに販売を終了する予定という。今後は、法人向けスマートフォンや5G関連設備に注力するとしている。 - 「自分の力不足だった」 バルミューダ寺尾社長が語った「スマホ事業撤退」の理由
バルミューダの携帯端末事業が終了する。寺尾玄社長は、携帯端末事業の終了について「自分たちおよび自分の力不足だった」としつつも「非常に良いチャレンジだった」と振り返る。 - バルミューダ、スマホ事業を終了
バルミューダが、携帯端末事業を終了する。「現在の事業環境において総合的に検討した結果、携帯端末事業を終了し、ほかの事業に注力するべきと判断したため」としている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.