Google、「Vertex AI」での生成AIサポート一般提供開始 「PaLM 2」も使える
Google Cloudは、MLプラットフォーム「Vertex AI」での生成AIサポートを一般向けに開始した。「PaLM 2」や「Magen」など、60以上のモデルを使える。Google「誰もが生成AIアプリを構築できるようになる」としている。
米Google傘下のGoogle Cloudは6月8日(現地時間)、機械学習(ML)プラットフォーム「Vertex AI」での生成AIサポートを一般に提供すると発表した。日本でも既に利用できるようになっている。
Vertex AIは、MLモデルやAIアプリのトレーニングやデプロイができるプラットフォーム。3月15日から一部のテストユーザーに先行提供されていた。
その機能の一部として、GoogleのLLM「PaLM 2」や文章から画像を生成する拡散モデル「Imagen」などを利用できる。
これらのモデルはVertex AIのモデル集「Model Garden」に含まれる。ユーザーは、これらのモデルを使ってChatGPTのようなチャットbotやセマンティック検索ツールなどの生成AIアプリを構築できる。
Model Gardenには現在60以上のモデルが登録されている。コード補完や生成のための新モデル「Codey」も、パブリックプレビューとして利用できる。今後サードパーティ製モデルも追加される見込みだ。
Googleは生成AIの一般提供を加速している。5月にはGitLabとの提携でGitLabのツール郡にAIによる支援機能を組み込むと発表した。また、7日には「Generative AI App Builder」のエンタープライズ検索へのアクセス拡大を発表した。
「これらのテクノロジーとパートナーシップにより、初心者から専門家まで、あらゆる開発者やデータサイエンティストが、Google Cloud上で生成AIアプリを構築できるようになる」とGoogleは述べた。また、新しいモデルがGoogleの「責任あるAI原則」を満たしているかを厳格に評価しており、「すべての生成AIサービスにはGoogle Cloudに期待されるセキュリティ、データ管理、アクセス制御が含まれている」と付け加えた。
関連記事
- Google Cloud、生成AIによるデータ検索で米医療大手のメイヨークリニックと提携
Google Cloudは、医療データ検索での生成AI採用で医療大手のMayo Clinicと提携した。医師や研究者は「Gen App Builder」のチャットbotで効率的にデータを検索できるとしている。新サービスはHIPAAに準拠している。 - GitLabがGoogle Cloudと提携 AI機能の提供加速 コードの自動生成、コードにある脆弱性の説明など
米GitLabがGoogle CloudとAI分野で提携。Google Cloudが提供するAI機能の「Vertex AI」などにより、GitLabのツール群にAIによる開発者の支援機能を組み込んでいく方針を明かした。 - Google I/O 2023基調講演まとめ
Googleが5月10日に開催した年次開発者会議「Google I/O」で発表されたことを時系列にまとめた。約2時間20分という例年より長いイベントでは主にAIの取り組みについて語られた。 - Google、GPT競合のLLM「PaLM」のAPIを提供へ 生成系AIアプリ開発を支援
Googleは、大規模言語モデル(LLM)「PaLM」のAPIを発表した。PaLMのトレーニングツール「MakerSuite」と生成系AIアプリ開発プラットフォーム「Generative AI App Builder」も発表。まずはプライベートプレビューで提供を開始する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.