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量子技術の教材、勢ぞろい NIIが無料公開 東大、慶應などがコンテンツ提供
NIIが、量子技術に関する教材を集めたデータベースを公開した。コンテンツはNIIに加え、東京大学、慶應義塾大学、名古屋大学、九州大学が提供する。
国立情報学研究所(NII)は6月12日、量子技術に関する教材を集めたデータベースを公開した。コンテンツはNIIに加え、東京大学、慶應義塾大学、名古屋大学、九州大学などが開発・提供する。「教材がインターネットを通して大学教育や研究の現場で広く利用され、量子科学技術分野の人材育成に貢献できることを期待する」(NII)
データベースには、量子技術に関する図やグラフ、練習問題、プログラムのコードなどを収録している。コンテンツのライセンスは基本的に「CC-BY-SA 4.0」で、NIIは「教育・研究目的で自由に利用できる」としている。ただし個別に特記があるものはその内容に従う必要がある。閲覧に当たって専用のアカウント登録などは必要なく、無料でアクセスできる。
「量子科学技術が世界的に急速な発展を遂げている一方で、研究や開発、そしてセールスやマーケティングといった広範な職種で量子技術の中長期的な発展を支える人材の不足への懸念が高まっている」(NII)として公開に至ったという。今後、動画やスライド資料なども追加していく方針。
NIIと東大など4校は、量子技術の教育支援を目的とした取り組み「量子技術高等教育拠点」を2019年に開始。オンライン講義などを公開・集約するWebサイトもオープンした。今回のデータベースも同サイト上で公開している。
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