コラム
再び増える「市場連動型」電力プラン 取引価格は大きく下落もリスク説明は十分か?(3/3 ページ)
一般家庭向けの「市場連動型」電力プランの発表や受付再開が相次いでいる。現在はそのメリットを享受しやすい状況にあるが、過去には電気代が高騰することもあった。
ユーザーへの説明は十分か?
ガイドラインでは、市場連動型料金メニューをユーザーに営業する時は、料金が大きく変動する可能性があるなどデメリットも告げ、過去の高騰の事例を用いるなど分かりやすく説明することが望ましいとしている。「デメリット(料金が高くなる可能性があること等)を告げないことは、需要家の誤認に基づく選択を招くものであり、需要家保護を趣旨とする説明義務に違反する」(電力の小売営業に関する指針より引用)。
各社のサービスサイトを見る限り、値上がりの可能性については触れている。ただ、具体的な事例となると過去のコラムや豆知識といった形でサイト内に掲載しているケースは確認できるものの、ユーザーの目に確実に触れる形になっているかは分からない。
また冒頭で触れたソフトバンクでんきのように、既存プランの移行という、通常の新規申し込みとは異なる手順で市場連動型プランのユーザーになった人達もいる。もし自分が使っているプランの内容を把握できていないのであれば、電力消費の増える本格的な夏を迎える前に確認するべきだ。
JEPXの取引価格が下がり、今はメリットが際立つ市場連動型プラン。しかしJEPXは株式市場と同様、需給バランスが価格を決める。東電管内の7月の予備率見通しは3.1%とほとんど余裕のない状態で、政府は再び「無理のない範囲の節電」を呼び掛けている。
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