「Pixel Tablet」を使ってみた “巨大Nest Hub”は普通に便利、ただし気になるところも……(4/4 ページ)
Googleが久しぶりにタブレット市場に帰ってきた。6月20日発売の「Pixel Tablet」は、ドッキングスピーカーでスマートディスプレイに変身する機能が加わった。Androidの本家が作ったタブレットの仕上がりをチェックする。
7万9800円は高いのか?
久しぶりのGoogle製タブレットとなったPixel Tabletだが、タブレットとしては過不足ない性能・品質があるように思う。昔、Nexus 7でブイブイ言わせていたときのようなコストパフォーマンスの高さは残念ながらないものの、ミドルハイ〜ハイエンドクラスのAndroidタブレットはあまり選択肢がなく、性能と価格で見れば十分候補に上がると思う。
ただ、本国の価格を見るとまた違って見えてくる。Pixel Tabletの米国価格は税別499ドルで「Pixel 7a」と同じ。しかし、日本だとなぜか7万9800円と7aより1万7100円高くなる。7aの国内価格は、税別に合わせると1ドルあたり約114円と、今のレートからするとかなり頑張った価格設定になっている。一方、Pixel Tabletは1ドル約145円に設定されている。
Pixel Tabletのレートが今の相場とかけ離れている訳ではないが、7aと比べると大きく円安に振られている(というか7aは赤字を心配するレベル)。スマートフォン市場でシェアを奪うために攻勢をかけているPixelシリーズと比べると、どうしても力の入れ具合に差を感じてしまう。
Googleは、Androidのタブレット対応にこれまであまり力を入れておらず、ローエンドや組み込み向けを除いて、ミドルクラス〜ハイエンドクラスのタブレットはiPadの一人勝ち状態となっていた。Googleは近年になって、UIやマルチタスクなど大画面向けに最適化したOSを「Android 12L」として投入したが、Androidタブレット市場が大きく盛り返したかというと、まだまだこれからといったところだ。
「Pixel Tablet」には、Android 12Lから機能をアップした「Android 13」が搭載されている。2画面のマルチタスクもラクラクで、下からスワイプすると出てくるランチャーで、別のアプリに切り替えることもできる
必然とPixel Tabletは「Androidタブレットのショーケース」という役を背負わされることになるが、価格設定といい、周辺アクセサリーの寂しさといい、Googleがどれほど力を入れていくのかいまひとつ読めない。もしかすると、大画面デバイスの本命を折りたたみスマホに見出している可能性もなくはないが、ぜひGoogleには、Pixel Tabletでワクワクするタブレットの未来像を見せてほしいと願う。
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