Twitter障害はスクレイピングではなく“自己DDoS”が原因?
Twitterでは現在、サービスの低下対策としてユーザーが読める投稿数に制限がかけられている。オーナーのマスク氏はこの問題の原因をスクレイピングだとしているが、Web開発者のチャン氏はTwitterのバグが原因のようだとMastodonで指摘した。
Twitterのオーナー、イーロン・マスク氏は7月1日、Twitterでの“サービスの低下”の原因を「数百の組織がTwitterのデータを極度なレベルでスクレイピングしている」ことだとツイートしたが、原因は別のところにあるようだと、フリーランスのWeb開発者、シェルドン・チャン氏がMastodonの投稿で指摘した。
この“サービスの低下”で、多数のユーザーが投稿を読めなくなっている。マスク氏は2日、「極端なレベルのデータスクレイピングとシステム操作に対処するため」にユーザーが読める投稿数に制限を加えたとツイートした。
だがチャン氏は、異常なトラフィックの原因として、TwitterのWebアプリのバグにより、無限ループ状態でTwitterにリクエストが送信されていることを発見したと動画を添えて説明した。この動画では毎分数百件のリクエストが送信されていることが確認できる。
左の動画は、レートが制限されているというエラーメッセージが表示されていることを示す。右の動画は、TwitterがTwitter自身に対し、1秒当たり約10件のリクエストを送っていることを示す。このエラーが「最も壮大な自己DDoSを発生させた」とチャン氏は説明する。「信じられない。素人か」。
Twitterの元Safety & Integrity担当ディレクター、ヨエル・ロス氏はBlueskyの投稿で、「(Twitterが)レート制限をいじってサイトを破壊したのはこれが初めてではない。この機能が厳重に管理されている内部ツールの1つであることにはちゃんと理由がある。これをいじるのは、Twitterを崩壊させる最も簡単な方法だ」と語った。
マスク氏はTwitter買収後、多数のエンジニアを解雇した。3月にはTwitter APIへの無料アクセスを停止する作業中、「基本的にTwitter APIを破壊してしまう」「悪い構成変更」を行ったことで障害が発生したと報じられた。
Twitterのトラブルを受けてか、BlueskyやNostrのタイムラインが活性化している。Blueskyは2日午前4時ごろ、「記録的なトラフィック急増により性能が一時低下している」と投稿。その後、「問題解決まで新規サインアップを一時的に停止する」と投稿した。
Twitterの共同創業者、ジャック・ドーシー氏は2日、Nostrで「Nostrがまた元気になった」「Nostrはスクレイピングについて気にしてる?」なとど投稿した。さらに、マスク氏による一時的制限を告知するツイートの画像を添えて「わぁ、これって多分バグのせいだよね」とも投稿した。
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