ChatGPTで中学1年生向けの数学プリントを自動生成してみた AIは正しい問題を作れるか:AIに相談だ!(2/2 ページ)
AIチャットサービス「ChatGPT」に、人間には答えにくい質問や、答えのない問い、ひっかけ問題を尋ねてみたらどんな反応を見せるのか。その反応からAIの可能性、テクノロジーの奥深さ、AIが人間に与える“示唆”を感じ取ってほしい。
ChatGPTの“微妙な正確さ”をPythonにサポートしてもらう
おおむねいい感じのプリントができた。もちろん生成しなおせばまた別のプリントを生成できる。これで無限に計算練習できる。生成に使ったプロンプトも見た目ほど難しくはない。普通にプリントを作るときに考えている要件定義を書き込むだけでいい。2回目以降はこのプロンプトをコピーペーストするだけなので、業務は楽になりそうだ。
気になるのは問題と解答が正しいのかというところだろう。ChatGPTが出力する文章は必ずしも正しいとは限らない。
今回Code interpreterで生成されたコードを見てみると(1)条件に沿ってランダムな整数の組を生成、(2)問題プリントの書式に整形、(3)正解プリントの書式に整形し、解説パラグラフを追加──という流れになっている。
正解プリントの正解部分は「{a}×{b}={a*b}」というプログラムで作られるため、正しい回答になっていることが分かる。
マイナスのかけ算くらいなら自分でも簡単にチェックできるが、高校数学など難易度が上がっていくと少しハードルが上がる。プログラムが正しそうなら解答も正しいだろうと判断できるのはいい点かもしれない。
なお、例えば連立方程式をはじめ、ランダムに問題を生成すると「解なし」になるものもある。こういった問題の場合は、先に正解をランダムに生成してから、つじつまが合うように問題を生成していくとうまくいきやすい。
ちなみに、今回の解説部分は中学1年生にとって分かりやすいかというと微妙かもしれない。ネットでは、分かりやすさ重視で「嫌な奴(マイナス)に悪いこと(マイナス)があるとうれしいでしょ(プラス)?」といった教え方も聞く。一方で、ChatGPTの解説は“硬い言葉”を使ったもので、直感的に理解しにくそうだ、授業をちゃんと聞いていれば分かるかもしれないが、そういう生徒はすでに理屈を理解しているだろう。
関連記事
- 「子どもにChatGPT使ってほしい」過半数 ベネッセが小学生の保護者に調査
子どもがChatGPTを使うことについて、保護者はどう感じているか──ベネッセコーポレーションが、小学3〜6年生の保護者を対象にした調査結果を発表。「積極的に使ってみてほしい」「少し使ってみてほしい」と答えた保護者が過半数だった。 - 小学生の自由研究をチャットAIがお助け ベネッセが夏休みに無料提供 “社内ChatGPT”の知見生かす
ベネッセホールディングスは7月13日、チャットAIを活用し、小学生の自由研究を支援するWebサービスを発表した。7月25日から9月11日にかけて無料で公開する。通信学習サービス「進研ゼミ」の会員でない人にも提供する。 - コーディングできないのでChatGPTにプログラムを外注してみた ゼロ知識でバッチファイル生成
AIチャットサービス「ChatGPT」に、人間には答えにくい質問や、答えのない問い、ひっかけ問題を尋ねてみたらどんな反応を見せるのか。その反応からAIの可能性、テクノロジーの奥深さ、AIが人間に与える“示唆”を感じ取ってほしい。 - “ChatGPT生成文”検知ソフト、2023年内に発売へ 大学生のレポートのコピペ抑止
ソフトウェア開発のアンクは、チャットAI「ChatGPT」で作成した文章を判別するソフト「コピペルナーV6」(仮称)を発売すると発表した。発売日は2023年内の予定。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.