Google、AndroidにAppleの「AirTag」ストーキング対策機能追加
Googleは、5月に予告したAppleのAirTagによるストーキング対策機能を、Android 6.0以降の端末にロールアウトし始めた。不明なトラッカーを自動検出し、アラートを表示する。
米Googleは7月27日(現地時間)、5月のGoogle I/Oで予告した不明なBluetoothトラッカーの検出・警告機能を、Android 6.0以降の端末にロールアウトしたと発表した。
新たなアプリをインストールしたりせずに利用できるようになる。
まずは、米Appleのトラッカー「AirTag」に対応し、他社のトラッカーにも段階的に対応していく計画だ。
AirTagなどのトラッカーは、本来は鍵や財布などに付け、紛失しても追跡して発見できるようにするためのものだ。だが、他人のバッグなどに入れてしまえばストーキングに悪用できる。
この機能を有効にすると、不明なトラッカーがAndroid端末の近くにあるとアラート通知が表示される。
この通知をタップすると、トラッカーの詳細やトラッカーと一緒にいたルートを地図で表示する。また、トラッカーの音を鳴らして隠された場所を見つけることも可能だ。
発見したトラッカーをAndroid端末の背面に近づけると、そのトラッカーのシリアル番号や電話番号の下4桁などの追加情報を表示できる場合もある。また、トラッカーを物理的に無効にする方法の説明も表示される。
アラートを待たずに、トラッカーが近くにないかどうか手動でスキャンする機能も追加する。本稿執筆現在、筆者の環境ではまだ表示されないが、Androidの[設定]→[緊急情報と緊急通報]に「不明なトラッキングアラート」という項目が追加され、ここで「スキャン開始」ボタンをタップすると約10秒で結果が表示される。
Googleは今年のGoogle I/Oで、この機能と同時に新しい「Find My Device」機能も今夏に導入するとしていたが、こちらは保留するという。
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