1LDKで550万円 3Dプリンターで作る家に「2人で住める」新タイプ
建築スタートアップのセレンディクスは2日、2人で住める3Dプリンター住宅「serendix50」の最初の1棟が竣工したと発表した。建設にかかった時間は44時間30分だった。
建築スタートアップのセレンディクス(兵庫県西宮市)は8月2日、2人で住める3Dプリンター住宅「serendix50」の最初の1棟が竣工したと発表した。建設にかかった時間は44時間30分だった。
広さ50m2の平屋造りで間取りは1LDK。バス・トイレも備えている。約4mという高さを生かし、高い天井のある室内を実現した。建築基準法に準拠し、耐火性、耐水性、断熱性も担保する。
概要設計は慶応義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センターが担当。KAPが構造設計を行った。立尾電設(熊本県)、百年住宅(静岡県静岡市)、ナベジュウ(群馬県)が施工に協力した。
今後は安全性試験を実施した後、限定6棟の先行販売を行う。販売予定価格は550万円。
40%が家を持てない現状を打破したい
セレンディクスの飯田國大COOは、「今まで家はオートクチュール(職人依存)であり数千万円とコストが高いのは当たり前だった。約40年前に自動車産業がロボットを使って効率化を始めたように、3Dプリンター住宅は住宅産業の完全ロボット化の始まりになる」と指摘。住宅の低コスト化を図ることで「平均完済年齢が73歳という30年住宅ローンや、日本人の40%が一生家を持てない現状を打破したい」としている。
施工に協力した百年住宅の中嶋雄代表は「2人で暮らすことができる平屋50m2の3Dプリンター住宅の実現は住宅業界を変革させる」とコメントを寄せている。
セレンディクスは2018年設立。22年3月に最初の3Dプリンター住宅「serendix10」を完成させ、同年10月に初めて6棟を売り出したところ即完売した。ただしserendix10にはキッチンやバス・トイレといった水回りがなく、単体で住居とするのは難しかった。
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