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IBMとNASA、地球の衛星画像分析用AI基盤モデル「Prithvi」をHugging Faceでオープンソース化
IBMがNASAの衛星データから構築した地理空間のAI基盤モデルをHugging Faceで公開した。最先端の深層学習モデルより4倍の速度で地理空間データを分析できるとしている。
米IBMと米航空宇宙局(NASA)は8月3日(現地時間)、NASAの衛星データから構築したIBMのwatsonx.aiによる地理空間のAI基盤モデルをApache 2ライセンスでオープンソース化し、オープンソースAIプラットフォームのHugging Faceで公開したと発表した。
IBMによると、このモデルは最先端の深層学習モデルよりも最大4倍の速度で地理空間データを分析でき、ラベル付きデータの量は半分になるという。
NASAの衛星が収集した1年分の地球の画像でトレーニングされたこのモデルで、森林減少や農地転換、都市化などの現象について解析できるとしている。また、気候変動の影響を監視し、対応策を立てる際にも役立つだろう。
NASAの最高科学データ責任者であるケビン・マーフィー氏は発表文で「基盤モデルには観測データの分析方法を変革し、地球への理解を深めるのに役立つ可能性がある」と語った。
Hugging FaceではPrithviの複数のオンラインデモを体験できる。
IBMは、このモデルの商用バージョンを、年内にIBM Environmental Intelligence Suite(EIS)で利用可能にする計画だ。
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