GoogleをDoJや州判事らが2020年に提訴した独禁法訴訟、一部棄却
米司法省と複数の州政府が2020年にGoogleを提訴した独禁法裁判で、連邦地裁が7件の申し立て中4件を棄却した。残りの申し立てについては9月に審理が開始される。
米Googleの検索サービスが独禁法に違反しているとして米司法省(DoJ)や複数の州政府が同社を提訴した裁判で、コロンビア特別区連邦地裁は8月4日(現地時間)、7件の申し立て中4件を棄却した。
この裁判は、2020年10月にDoJが11の州司法長官とともに起こしたものと、同年12月に38州の司法長官が起こしたものを併合して審理している。
4日に公開された簡易判決文(PDF)でアミット・メータ判事は、GoogleによるWebブラウザの独占契約とAndroid端末への自社アプリのプリインストールが独禁法にふれるかどうかの裁判は正当だが、検索結果でAmazonやYelpなどよりも自社製品を宣伝しているという主張は「必要な反競争効果を実証していない」と述べた。
棄却されたのは上記の検索結果で自社製品を宣伝しているという申し立ての他、Android互換性協定、Googleアシスタント、IoT端末、Androidオープンソースプロジェクト(AOSP)に関する申し立てだ。
メータ判事は、「独占力を持つ企業が違法行為を行うのは、その行為が競争を阻害する場合に限られる」としている。
正当だと認められた申し立てについては、9月12日に開始される予定の裁判で審理される見込みだ。
Googleの国際問題担当社長、ケント・ウォーカー氏は公式ブログで、同社はメータ判事の「Google検索の設計に関する申し立てを棄却するという慎重な検討と決定に感謝する」と語った。
司法省はこの訴訟とは別に今年1月、複数のデジタル広告技術製品を独占するのは違法だとしてGoogleを提訴した。この裁判は早ければ来年にも始まる見込みだ。
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