理想的な「トラベルカメラ」かも コンパクトでバッテリー持ちも良好な富士フイルム「X-S20」:荻窪圭のデジカメレビュープラス(7/7 ページ)
静止画も動画もイケてて軽くてコンパクトでバッテリーの持ちもいい、そんな理想的な「トラベルカメラ」として登場したのが富士フイルムの「X-S20」だ。
気になったのは2点。1つは手ブレ補正。
手持ちで動画を撮るときの手ブレ補正は、光学式手ブレ補正(OIS/IBIS)に電子式手ブレ補正(DIS)を加えることもできるが、DISを加えてもいわゆる「アクティブ手ブレ補正」に比べるとちょっと弱い。歩きながらの撮影ではジンバルが欲しいかも。
もう1つは電動ズームレンズ。ズーミングするとマイクがそのモーター音を拾ってしまう。これも本格的に録るなら外付けマイク(マイク端子はある)を用意すべきということか。
まあどちらも本格的に動画を録るなら必要なアイテムではあるけれども。
今回、X-S20は普及タイプのカメラであるからオートやVlogモードを中心に使ってみたけど、その気になればかなり本格的な運用もできそうだ。
動画でも最高で6.2K/30p(この場合は3:2になる)、フルHDなら240pというハイスピード撮影もできるし、HDMI経由での動画RAWデータ出力にも対応する。
長時間撮影時の熱対策として、X-H2シリーズに用意された冷却ファンも装着することが可能だ。その気になれば本格的な撮影もできるので価格に見合う性能は持ってると思う。
ただ、トラベルカメラとして成熟させるなら、いわゆるトラベルズーム(高倍率ズーム)レンズが欲しいかな。キットレンズは広角中心だし、望遠に強いレンズになるとX-S20にはやや大きくて重い。細身で軽量なXC 16-100mmあたりどうだろう?
最後にアプリの話。X-S20の発売と同時にスマホ用アプリもフルリニューアルされた。「XApp」である。
カメラ内にスマホと連動したアクティビティレコードが記録され、それをスマホに転送することで、いつどこでどのカメラとレンズで何枚撮ったか、そのときフィルムシミュレーションは何を使ったかという情報がクラウドに保存されるのだ。
トラベルカメラというからには、どこへ行ってどこで撮ったかは記録してほしいもの。
X-S20のみならず最近のモデルならファームアップで対応するので、XやGFXユーザーは楽しめると思う。
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