X(旧Twitter)、ThreadsやNew York Timesのリンク読み込みを意図的に遅くしていた可能性
X(旧Twitter)上のThreadsやThe New York Timesなどへのリンクの読み込みが他より明らかに遅かった(現在改善中)。いずれもかつてイーロン・マスク氏が攻撃したメディアやプラットフォームだ。
X(旧Twitter)上の一部の外部コンテンツへのリンクが表示されるまでに、約5秒の遅延があるという指摘が8月14日(米国時間)、米Y Combinatorが運営するSNS、Hacker Newsに投稿された。例えば米The New York Timesの記事へのリンクは遅くとも4日からその状態という。
投稿者のxslowzoneによると、「遅延は一貫しており、明らかに意図的なもの」という。
複数の米メディアは、同様の遅延が、Instagram、Facebook、Threads、Bluesky、Reuters、Substackへのリンクでもみられたと指摘した。
この現象は既に改善されたとされているが、本稿筆者がReutersやThe New York Timesのリンクで確認したところ、5秒とまではいかないものの、例えばアイティメディアのリンクより明らかに開くのが遅かった。
リンクへの移動が遅延したのはいずれも、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏がかつて攻撃したことのあるサービスだ。
Twitterの元Safety & Integrity担当ディレクター、ヨエル・ロス氏は、わずか650バイトのデータの受信に5秒かかるのはありえないことだとBlueskyに投稿した。UX調査によると、1秒の遅延でも直帰率は増加し、リンク先に向かう時間が減ることが分かっているとも語った。
Twitter(当時)は昨年12月にはMastodonなど競合するとみられる幾つかのサービスへのリンクを禁止したが、批判が高まる中これを撤回した。
4月には、Substackのリンクのツイートが制限されていると多数のユーザーが報告した。
Substackのクリス・ベストCEOはSubstack Noteで、Substackリンクの遅延は数カ月間行われていたとし、大手SNSに依存しないための方法を構築することが重要な理由はこういうことがあるからだと語った。
遅延されたサービスの1つであるThreadsを運営する米Metaのマーク・ザッカーバーグCEOはThreads上でこの件を報告したユーザーに対し、考え込む絵文字でリプライした。
本稿執筆現在、Xやイーロン・マスク氏はこの件についてコメントしていない。
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