扇風機を搭載した変な日傘
折りたたみファンブレラは、一見なんでもない普通の日傘。しかし傘を広げて見上げると、軸の周囲に網で囲われた3枚の羽根が見える。持ち手のボタンを押すとこれが回り、上から風が吹いてくる仕掛けだ。ちなみに雨の日には普通の傘として使える。
この日の東京の気温は35℃。ただ理科の時間で習ったように、報道される気温は「百葉箱」(つまり日陰)で計測したもの。直射日光とコンクリートやアスファルトからの輻射熱にさらされる夏の路上はそんなものじゃない。
日傘をさすと、まず直射日光から逃れられたありがたさに感動した。しかもこの日陰、自分が移動するとついてきてくれるのだ。なんともいえない安心感。もう日陰が多い通りを探しながら歩く必要はない。日傘すごい。
折りたたみファンブレラは紫外線を98%カットし、その上ファンから風が吹いてくる。ただし猛暑日だとファンの風がぬるめのドライヤーのようになってしまい涼しくない。逆に熱によるストレスを増やす結果になるという研究結果もあるので、濡らしたハンカチなどを併用するのが得策だ。額を濡らした状態なら風が心地よく感じる。
持ち手部分には充電のためのUSB Type-C端子があり防水キャップも付いている。充電は約4時間半で、満充電なら「弱」モードで約3時間使用できる。
3枚の羽根は固定されおらず、傘を上に向けた状態で閉じると先に羽根が閉じて収まるようになっている。この仕掛けは面白い。
ともあれこのファンのおかげで、自分の中では「日傘をさす軟弱な男」から「ただのガジェット好き」にジョブチェンジできた。くだらないと思うかもしれないが、時には合理的な判断に合わせて自分を納得させるテクニックも必要だ。一歩踏み出してしまえば後は割り切れることも多い。
実際、街中を歩いてみても自分が思うほど周囲の人達は日傘の男なんて気にしてはいなかった。信号待ちで視線を送ってくる人はいたが、きっと羨ましいのだろう。そう思っておこう。
後は片手が塞がる問題だが、同じくサンコーから「ちょっと傘持って手」という、これまた変なアイテムが販売されている。リュックのショルダーストラップ(肩ひも)などに本体を取り付け、付属のアタッチメントを装着した傘をセットすると、良い感じに傘をさした状態で固定される仕組み。世の中には冷却機能付きバックパックなんて物も存在するので、組み合わせると、より涼しいかもしれない。
気象庁が16日に発表した「高温に関する全般気象情報」によると、23日ごろにかけて高気圧に覆われて晴れる日や暖かい空気の流れ込む日が多く、最高気温が35℃以上の猛暑日になるところがあるという。厳しい暑さはまだ続く。炎天下を歩く人は日傘はさしたほうがいい。
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