Google、LLMの「PaLM 2」と「Codey」で日本語をサポート
Googleは、6月から日本でも提供しているLLM「PaLM 2」と、コード生成、補完のための基盤モデル「Codey」を日本語で利用できるようにしたと発表した。
米Googleは8月22日、東京で開催したイベント「Generative AI Summit」の基調講演で、大規模言語モデル(LLM)の「PaLM 2」を日本語で利用できるようにしたと発表した。
PaLM 2は、5月に開催された年次カンファレンス「Google I/O 2023」で発表され、日本でも利用可能になっていたが、日本語には対応していなかった。
Google Cloudの上級執行役員、小池 裕幸氏は、PaLM 2の日本語は、日本語を母語としない外国人の日本語能力を客観的に測定する試験として知られる「J.TEST実用日本語検定」の上級者向け(A-C)において、94%正解するというベンチマークがあり、細かいニュアンスの理解、生成が可能だと説明した。
また、日本語の細かなニュアンスも認識できるとし、「おでんの予約は? お電話で!」というジョークがなぜおもしろいのかというプロンプトに、これは言葉遊びであり、「おでん」という言葉のあいまいさをもじっているから面白いのだと答えた画像を紹介した。
PaLM 2の日本語モデルは既に資生堂やソフトバンクなどの多数の企業がプレビューを使っているという。
また、6月から使えるようになっている機械学習(ML)プラットフォーム「Vertex AI」上の、PaLM 2をベースとするコード生成、補完のための基盤モデル「Codey」も、日本語に対応した。
PaLM 2およびCodeyは、同日からGenerative AI Studio上でテスト、設計、自社データを用いたチューニングが可能だ。
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