Googleショッピングに生成AI(拡散モデル)採用バーチャル試着機能(まず米国で)
Googleは、ショッピング検索の生成AI採用のバーチャル試着機能を発表した。まずは米国で、H&Mなど一部のブランドの女性用衣服で利用できるようになった。「DALL・E2」などのベースになる「拡散モデル」で開発した。
米Googleは6月14日(現地時間)、生成AI採用のバーチャル試着機能「Virtual try-on」(VTO)をまずは米国で公開したと発表した。検索結果のAnthropologie、Everlane、H&M、LOFTなどのブランドの服の画像に「Try On」バッジが表示される場合に利用できる。
試着と言っても、自分で着るわけではなく、自分の体型や肌の色に近いモデルを選んでそのモデルに目的の服を着せて見るというものだ。
VTOは、「拡散モデル」を採用した生成AIツールだ。拡散モデルは、「DALL・E2」や「Stable Diffusion」、Googleの「Imagen」などのベースにもなっている技術。大まかに言うと、「画像に加えたノイズを除去してオリジナルの画像を復元する方法を学習する」モデルだ。
トレーニングでは、テキストの代わりに衣服の画像と人物の画像のペアを使った。人物の画像はリアルな人間のものだ。各画像を独自のニューラルネットワーク「U-net」に送り、衣服を着た人物の写実的な画像を生成する。トレーニングには、Googleのショッピンググラフを利用した。
GoogleはVTOに加え、AIとビジュアルマッチングアルゴリズムを採用した衣料検索のフィルタリングオプションも米国で提供を開始した。Googleショッピングの商品リスト内にフィルタが表示される場合は、このフィルタで色やスタイル、価格などで検索を絞り込める。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
関連記事
- 欧州議会、AI規制法案を可決 「ChatGPTなどは透明性要件を順守すべし」
欧州連合の欧州議会は、「EU AI Act」と呼ばれるAI規制法案を可決した。欧州議会は「ChatGPTのような生成AIシステムは、コンテンツがAIによって生成されたものであることを開示する必要がある」としている。 - Google、「Vertex AI」での生成AIサポート一般提供開始 「PaLM 2」も使える
Google Cloudは、MLプラットフォーム「Vertex AI」での生成AIサポートを一般向けに開始した。「PaLM 2」や「Magen」など、60以上のモデルを使える。Google「誰もが生成AIアプリを構築できるようになる」としている。 - Google、生成AI搭載検索エンジンのお試し利用を米国で開始
Googleは、生成AI搭載版Google検索のテストを米国で開始した。複合的なクエリに対応し、フォローアップの質問にも答える。ショッピングの相談では従来通りの広告も表示される。 - GoogleのAI「Bard」からAdobeのAI「Firefly」で画像生成可能に 画像の来歴管理など「クリエイター中心」
Adobeの生成AI「Firefly」がGoogleのチャットAI「Bard」と連携。Bardにテキストを入力すると、Fireflyで画像を生成できるようにする。画像の来歴を管理する機能も。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.