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欧州議会、AI規制法案を可決 「ChatGPTなどは透明性要件を順守すべし」
欧州連合の欧州議会は、「EU AI Act」と呼ばれるAI規制法案を可決した。欧州議会は「ChatGPTのような生成AIシステムは、コンテンツがAIによって生成されたものであることを開示する必要がある」としている。
欧州連合(EU)の立法議会である欧州議会は6月14日(現地時間)、「EU AI Act」と呼ばれるAI規制法案を可決したと発表した。賛成499票、反対28票、棄権93票。
この法案は、顔認識ソフトウェアの使用を大幅に制限する他、生成AIの提供企業に対し、プログラム構築に使うデータについてのさらなる開示を義務付けるものだ。欧州議会はプレスリリースで「ChatGPTのような生成AIシステムは、コンテンツがAIによって生成されたものであることを開示する必要がある」と名指しでコメントした。
法案はこの後、欧州議会、欧州委員会、欧州連合理事会の代表によって検討され、法律の最終版が成立するのは早くとも今年後半になる見込みだ。
EUは2020年からAI規制について討論してきた。
ChatGPTを提供する米OpenAIのサム・アルトマンCEOはかつて、審査中のEU AI Actを順守できない場合、欧州での事業を停止する可能性があると語った(その後、欧州撤退の計画はないとツイートした)。
今回可決された最新の法案では、生成AIのトレーニングに使われる著作権のある素材の要約を公開することも含まれる。アルトマン氏は、これは「技術的に実行不可能」としていた。法案ではまた、生成AI提供企業は、違法コンテンツの生成を防ぐ安全策を義務付ける。
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