「ゲーム業界目指す最低限できていない」──社長のSNS投稿が議論呼んだサイバーコネクトツーが、実は抱えていた育成の課題:CEDEC 2023(3/3 ページ)
ゲーム業界を目指す学生に対する社長の投稿がSNSで議論を呼んだサイバーコネクトツー。実は、社内では新人育成・採用の課題を抱えていたという。同社が取り組む対策とは。
「とにかく即戦力を」は無理 CC2の判断と戦略
一方で、まだ問題もある。採用だ。優秀な学生をいち早く見つけ出し、自社に入ってもらいたいのはどこの会社も同じ。宮崎副社長も自ら専門学校などに足を運び、優れた人材を探していた。しかし、結局「無理」という結論に至ったという。
「産業が求めるクオリティーが上がりすぎている。育成を前提に採用しないとダメだと考え、教育をちゃんとやろうと思った」(宮崎副社長)
とはいえ、最初から優秀な学生を採用することを諦めたわけではないという。レベルファイブなど、他のゲーム会社と共同で設立した任意団体「GFF」を通し、専門学校などがより優秀な学生を輩出できる仕組みを実現を目指している。
GFFは福岡を拠点とするゲーム企業による団体で、インターンシップや学生向けのゲームコンテストなど、人材の育成・獲得につながる施策を展開している。現在はゲーム企業のみが加盟しているが、今後は専門学校などにも声をかけ、業界全体の技術力を底上げする体制を築いていきたいという。
例えば、GFFに加盟している企業全体で「こんなスキルを持った学生がいれば積極的に採用したい」という情報を取りまとめ、ゲーム系の専門学校などに共有。学校側に参考にしてもらいつつ、教えるスキルを持たない教師などがいれば推奨書籍を紹介するなどし、優秀な学生の育成につなげる狙いだ。他にも学生向けの特別授業、教師向けの勉強会なども検討しているといい、2024年4月をめどに各施策をスタートする予定という。
「『とにかく即戦力を採用しよう!』と思っても、即戦力はいない。いても少しだけ。育成と向き合うしかない。でも、育成をちゃんとやれる体制があれば『今はギリギリだけど、いいところがあるから1年あれば伸ばせる』という感じで、採用にもいい影響を及ぼす。まだまだ100点満点の状況ではないが、やらないとその現状すら変わらない」(宮崎副社長)
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