まだChatGPTを使ってない人は「人生を悔い改めた方がいい」――孫正義節が炸裂(2/2 ページ)
「ChatGPTは何回もテレビにも新聞にも雑誌にも出ているのに、それを自分自身で毎日活用してないと。もうそれは電気を否定するとか自動車を否定する人と同じ」――10月4日に東京都港区で開催された「Softbank World」の基調講演で登壇したソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏は、“孫節”を効かせながら生成AIの威力と、AGI(汎用人工知能)が登場する未来について語った。
「ChatGPTを使ってない人は『人生を悔い改めた方がいい』」
会場で「ChatGPTを毎日使っている人は?」と孫氏が投げかけると、挙手したのはたった1割ほど。これに孫氏は「もうやばいと、手を挙げなかった人は人生を悔い改めた方がいい。自分自身の人生を、自分はどういう考えで生きてきたんだと。ChatGPTは何回もテレビにも新聞にも雑誌にも出ているのに、それを自分自身で毎日活用してないと。もうそれは電気を否定するとか自動車を否定する人と同じ」と孫正義節ともいえる持論を展開。
また、米国企業の51%がChatGPTを活用しているのに対し、日本は7%。しかも日本企業の72%がChatGPTの利用を禁止、あるいは禁止を検討しているという調査結果を引用し、「(ChatGPTを)使ってないだけならやる気にさせれば良いが、禁止していると……。どうなってんだ日本は。もうはなはだ問題であります」と壇上で嘆き、「活用するのか、取り残されるのか。金魚になりたいのか、なりたくないのか」と発破をかけた。
生成AIには課題も多いが、孫氏のカウンターは強烈だ。「ハルシネーション(不正確な内容を出力すること)は一時的なもの」としたうえで、「ハルシネーションがあるだろうとか、データのセキュリティなどあーだこーだ言う人がいる。電気は時々爆発するだろうとか、自動車も事故を起こすだろうと言う人と似ている」「新しい文明に対して、自分が本能的にすぐに受け入れられずいろんな屁理屈を付けてけなす。それによって自分がさも知識人であるかのようにふるまう人がいるが、こういう人こそハルシネーションだと言いたい。後で歴史があなたの間違いを証明します。自動車が、電気がどれほど有益であるか歴史が物語るように」と語った。
「我々はまさに10年のクロスオーバーの時に今いる。この10年で自分がどう思うか、自分の会社がどう思うか、自分の国がどう思うかで100年、200年先が決まる。小さな議論はやめとけよ。誤差な話を言うんじゃない。もっとでかく全体を見ようということを僕は申し上げたい」「人類の進化の源泉は願望であると私は思う。空を飛びたい、速く走りたい、病気を治したい、この願望が進化の源泉。AGIをうまく活用できる人とできない人の最大の違いは何か、それは強い願望を持ってるかどうか。AGIは敵ではない、最強の味方だ、最強のパートナーだ、最強の道具だ、こういう風に思ってほしい」(孫氏)
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