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伝統的なボディに最新ミラーレス、「Nikon Z f」は撮って気持ちいい“趣味系カメラ”の大本命荻窪圭のデジカメレビュープラス(6/6 ページ)

とうとうニコンから趣味系カメラの本命が来たかもしれない。見た目は伝統的でクラシカルながら、中身は最新技術が詰まったミラーレス一眼「Nikon Z f」である。

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つい使ってしまうB&Wモード

 Z fで特徴的な点をもう1つ。

 それはB&Wモード。シャッタースピードダイヤルの下に写真と動画の切り替えレバーがあるのだが、そこに「B&W」ポジションが追加されたのだ。白黒モードである。

 2023年は初頭にライカやペンタックスがモノクロ専用カメラを出し、先日レビューしたパナソニックのG9PROIIはあらたに「LEICAモノクローム」というモノクロモードを搭載し、とモノクロ系が目立つ昨今であるが、Nikon Z fはモノクロ専用ポジションを用意したのだ。


静止画と動画の切換レバーにあらたにB&Wがついた。いつでもどこでもモノクロ写真だ。

 こんなことされたら使っちゃうでしょ。

 ここをB&Wポジションにすると、さっとモノクロ写真を撮れるのがいい。

 B&W時は使えるピクチャーコントロールがモノクロ系の3つ(モノクローム・フラットモノクローム・ディープトーンモノクローム)に限定される。


B&Wモード時にピクチャーコントロールを見ると、モノクロ以外はグレーアウトしている。今回はこのディープトーンモノクロームで

 ディープトーンモノクロームで撮った中から何枚か。なんてことないカットでもアーティスティックに見えるのはヤバいですな。


昔からの畳店で少しはいった陽射しが古い機械に当たってII感じだったのでモノクロで(24-70mm 70mm 1/80秒 F4 ISO360)

古いきれいなステンドグラスの店だったのだけど、あえてモノクロで狙ってみた。色を抜くと見えてくるものがあるという感じで(40mm 1/320秒 F2.0 ISO200)

 では最後にいつものガスタンクを。これは定点ものなのでカラーです。


色や階調のみならずディテールもきちっと表現されててさすがである。特にいうことはない感じ(24-70mm 24mm 1/640秒 F8.0 ISO100)

 動画は4K/60fpsまで対応している。が、やはり写真を撮りたい人のカメラだよなということで言及はしない。

 

 APS-CサイズセンサーのZ fcは20代の若い人たちがメインターゲットで(確かに広告もそんな感じだった)、フルサイズセンサーのZ fはもう一世代上がメインターゲットという。

 あえてクラシックなスタイルでカメラらしさを前面に出すという趣味性が高いカメラという方向性は実に魅力的で、撮ってて楽しい。フォーカスモードや感度自動制御やドライブモードを専用のレバーやボタンでさっと切り替えたいと思ったのだけど、Z fそういうのをちょこまかといじらず、ダイヤルをカチカチっと回してセッティングしてさっと構えてさっと撮るのが本分のカメラなのだからそれでいいのだ、という気もするくらいだ。

 最新技術の恩恵をほどよく受けつつ、あえてメカニカルな操作でじっくりさっと撮る、それが楽しいカメラである。

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