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新聞紙で炊くタイガーの炊飯器、開発のきっかけは「もったいない」だった 廃棄内釜を災害対策に知らないと損!?業界最前線(2/4 ページ)

タイガー魔法瓶からちょっと変わった炊飯器「魔法のかまどごはん」が登場する。熱源は電気ではなく「炎」。同社100周年と関東大震災から100年の2023年に、防災グッズとして提案。キャンプ需要や学校教育なども想定する。開発の経緯や目指す世界について、製品のプロジェクトリーダーに話を聞いた。

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破棄される大量の内釜が「もったいない」

 魔法のかまどごはんはタイガー魔法瓶の社内公募制度「シャイニング制度」から誕生した製品だ。きっかけは、魔法のかまどごはん プロジェクトリーダーの村田勝則さんが20年にサポート部門に異動になったことだった。

 タイガー魔法瓶では毎年多くの炊飯器を開発発売している。それぞれに異なる内釜が用意されており、それらは補修用部品として、製品の販売終了後も10年間保有。このため10年以上経過後には、未使用の内釜がどうしても発生してしまう。この未使用の内釜を再利用できないか、と考えたのがきっかけだった。


タイガー魔法瓶 魔法のかまどごはん プロジェクトリーダー 村田勝則さん

 「未使用の内なべ(内釜)の再利用を考えていたとき、私が大学生の頃に『少年自然の家』でアルバイトをしていて、新聞紙を燃やしてご飯を炊いたことを思い出しました。炊飯器の内なべには、炊飯用の目盛りも付いているので水量も手軽に計れます。そこで直火の炊飯器にできないかと考えました」(村田さん)

 そこで村田さんは21年から、植木鉢をかまどのように使った試作機を制作。防災イベントに提供するなどした。そして22年1月にはシャイニング制度で「事業化賞」を受賞。製品化への取り組みがスタートすることになった。


「魔法のかまどごはん」の試作モデルの数々。右の植木鉢からスタートし、セメント製など70モデル以上をつくったという。内釜を浮かすための金具は洗濯用のかごなどを使ったそうだ

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