電気シェーバー「5年保証」を実現できた理由 シェア4位の老舗メーカーは何をしたのか?:知らないと損!?業界最前線(2/4 ページ)
マクセルイズミが10月25日に発売した電気シェーバー「everedge IZUMI PREMIUM」シリーズは、替え刃の交換が5年間不要の「5年保証」を実現した製品だ。高い耐久性やそのほかの製品特徴、実際に使ってみた感想を紹介しよう。
1939年創業の老舗メーカー
マクセルイズミは1939年に創業し、1956年から電気カミソリ刃の製造を行ってきた泉精器製作所がルーツの国内メーカーで、国内外メーカーの電気シェーバーの刃や製品をOEM製造してきた。そして09年にイズミブランドとして、電気シェーバー市場に本格参入。経営危機を経て、18年にマクセルグループ入りし、マクセルイズミとなった現在も数多くの電気シェーバーを展開している。
「everedge IZUMI PREMIUM」は、6枚刃を採用するフラグシップシリーズだ。一番の特徴は、替え刃の交換が5年間不要という高い耐久性を実現したことにある。
電気シェーバーの刃は、1〜2年で交換するのが一般的。刃先が丸くなって剃り味が悪くなった電気シェーバーは効率よく剃れなくなったり、ひげを挟んでしまったりして、使い勝手が悪くなる。
そこでマクセルイズミは、刃を交換することなくより長く使い続けられる電気シェーバーをコンセプトに新製品を開発。創業以来培ってきた製造技術や曲げ加工により、硬度が高いオーステナイト系ステンレス鋼を外刃、内刃に採用した。
さらに実使用と同じ条件で検証できる耐久試験機を独自に開発。毎日3分のひげ剃りを5年間行うことを想定し、約91時間の摩耗試験を繰り返しながら刃を改良した結果、切れ味と耐久性を実現した。
こうして出来上がった5年間切れ味が落ちない刃を、マクセルイズミではサステナブル意識に対応できるという意味を込めて「長寿命刃(サステバ)」と命名。これを「everedge IZUMI PREMIUM」シリーズに搭載したのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
2023年、エアコンのトレンドは「換気」から「節電」へ AI活用の最新技術
気温も上がってきて、夏の暑さ対策を考える時期になった。今回はエアコンの最新事情を解説する。さまざまな値上げを背景に、メーカー各社は節電機能をアピールした新製品を投入。センサーとAIの活用で節電と快適さを両立させたモデルもある。また持ち運びのできるバッテリー式のモデルも発売される。
計量の手間を省くパナ「自動計量IH炊飯器」はどうやって生まれたか アイデアは40年前から、今なぜ実現?
パナソニックが7月に一般販売を開始した「自動計量IH炊飯器」は、あらかじめセットした米や水を自動で計量して内釜に投入・炊飯する炊飯器。スマートフォンで遠隔炊飯できるが、最大容量は2合で無洗米のみ対応と、従来の炊飯器にない制約も多い。そこで製品の開発経緯と市場動向を担当者に聞いた。
「こだわりの味」を再現するために超えた壁、タイガーの「サイフォニスタ」
自動サイフォン式という珍しさもあって、人気のコーヒーメーカーがタイガー「サイフォニスタ」。なぜ自動コーヒーメーカーでサイフォン式を採用したのか、コーヒーの香りと味の秘訣はどこにあるのか。企画を担当したタイガーの和泉修壮さんに話を聞いた。
裏話を語るYouTubeが話題 V字回復でトップシェアの「レグザ」に聞いた
日経新聞が1月6日、レグザの国内テレビ首位を報じた。レグザブランドは2006年発足。順調にシェアの伸ばすが、東芝の不正会計疑惑などで人気は急降下する。現在世界第2位のテレビメーカー・ハイセンスの傘下となったのが18年だ。このV字回復の軌跡を聞いた。

