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ispace、月のレゴリスを採取するマイクロローバーのデザイン公表 24年打ち上げ
宇宙ベンチャーのispaceは16日、月面の調査を行うマイクロローバー(小型月面探査車)の最終デザインを公開した。
宇宙ベンチャーのispaceは11月16日、月面の調査を行うマイクロローバー(小型月面探査車)の最終デザインを公開した。早ければ2024年冬にも民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のミッション2で月へ送り込む。
欧州子会社のispace Europeが開発しているマイクロローバーは、315(幅)×260(高さ)×540(全長)mm。重さは5kg。軽量ながらもロケット打ち上げ時の振動などにも耐える耐久性が求められるため、躯体にはCFRP(炭素繊維複合材料)を使用した。
月面の特殊なレゴリス環境でも安定した走行ができるように車輪の形状を工夫した。展開機構があり、月面に着地した後、走行のために展開する。地球の管制室とはランダーを経由してデータの送受信を行う。
前方にはHDカメラやスコップを搭載。スコップはHAKUTO-Rのコーポレートパートナー企業であるEpiroc ABが開発するもので、月のレゴリスを採取してカメラで撮影を行う予定になっている。
ispace Europeは現在、マイクロローバーのエンジニアリングモデルを開発しており、今後は環境試験を行った後、フライトモデルの開発に入る。フライトモデルは24年夏頃に日本でランダーに搭載する作業を行う予定だ。
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