GoogleのAI「Bard」、YouTube動画の内容要約も可能に
Googleは、生成AIチャット「Bard」がYouTube動画について理解する能力が上がったと発表した。例えばレシピ動画を見ずに材料や作り方を確認できる。
米Googleは11月21日(現地時間)、生成AIチャット「Bard」が「YouTube動画を理解する能力の第一歩を踏み出した」と発表した。
同社は9月に、YouTubeからリアルタイム情報を取得できるようにしているが、今回のアップデートで、動画の概要や、長い動画のどの当たりで目的の情報が得られるかなどを答えられるようになったようだ。
Googleは例として、ケーキのレシピ動画を探している場合、そのレシピに必要な卵の数を尋ねられるようになるとしている。
「美味しいミルクティーの入れ方を紹介するYouTube動画から、手順を教えてください」と尋ねたところ、複数の画像入りの説明が表示された。最初の手順に「ティーポットに水と紅茶を入れ」とあるが、それがどのようなYouTubeからの情報かは不明だ。
画像をクリックするとYouTube動画ではなく、画像を掲載しているWebサイトに飛ぶ。
「ポトフの作り方を紹介したYouTube動画を教えてください」という質問には、3つの動画タイトルとその概要説明が表示された。ただし、動画のURLは表示されず、さらに「それぞれの動画のURLを教えてください」と頼んだところ、「大規模言語モデルとして私はまだ学習中であり、そちらについてお手伝いできる機能がありません」という回答だった。
YouTubeでタイトルを検索して確認し、「以下の動画で紹介しているポトフの材料をすべてリストアップしてください」と頼んだところ、この動画のレシピのポイントになっている「白菜」が表示されなかった。それについて問いただすと、「その理由は、動画の説明文に、白菜は「お好みで」と記載されていたためです。また、動画の冒頭で、白菜は「なくてもOK」と紹介されていました」との回答だった。
別の検索で、OpenAI DevDayの動画のURLに「以下の動画で「GPT-4 Turbo」を発表しているのは何分目ですか?」と問うたところ、「動画の2:28〜4:56の約2分半です」という回答だったが、実際には5分32秒目だ。
また、DevDayの動画の内容を要約するよう頼んだところ、発表されていない「GPT-6」について説明した。
Bard自身も語っているように、まだまだ学習中のようではあるが、レシピの手順表示がうまくいけば役に立ちそうだ。ただし、クリエイターにとっては、動画の視聴数が減ることに繋がりそうだ。
関連記事
- GoogleのAI「Bard」に“回答のダブルチェック”用ボタン追加
Googleは生成AIチャット「Bard」に、回答の真偽を確認する助けになる“ダブルチェック機能”を追加した(まずは英語のみ)。回答の下に表示されるGoogleのロゴボタンをクリックすると、怪しい部分がオンレジ色になる。 - GoogleのチャットAI「Bard」、GmailやGoogleドライブの拡張機能に 画像質問も日本語対応
Google Japanは9月19日、Googleの生成AIチャット「Bard」の新機能としてGmailやGoogle ドライブなどのGoogleアプリの拡張機能を発表した。Bardがユーザーの指示に従い、ユーザーのGmailやドライブ内のファイルなどを参照し、回答を生成するという。まずは英語で提供を始める。 - AI「Bard」は位置情報を常に取得 会話を「人間がレビューする可能性」も Googleが理由説明
GoogleのAI「Bard」の初期画面に、「人間のレビュアーがBardとの会話を処理する場合があります」と明示。ユーザーの位置情報も利用中常に取得されるようになった。 - GoogleのチャットAI「Bard」に新機能 回答のシェア、文章の読み上げなど
米Googleが「ChatGPT」のようなチャットAI「Bard」に複数の新機能を追加した。会話を外部にシェアできるURLの発行が可能になった他、回答のテキストを音声で読み上げてもらえるようになった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.