AI「Bard」は位置情報を常に取得 会話を「人間がレビューする可能性」も Googleが理由説明
GoogleのAI「Bard」の初期画面に、「人間のレビュアーがBardとの会話を処理する場合があります」と明示。ユーザーの位置情報も利用中常に取得されるようになった。
米GoogleのAIチャットサービス「Bard」の初期画面に、「人間のレビュアーがBardとの会話を処理する場合があります。センシティブな情報を入力しないでください」と明示されるようになった。また、ユーザーの位置情報も利用中常に取得されるようになった。
会話や位置情報は「Bardアクティビティ」としてGoogleアカウントに自動保存される。
Googleは、人間がレビューしたり位置情報を取ったりする理由や、ユーザーのプライバシー保護についての考え方を解説する、説明文を公開した。更新は7月11日付。
Bardとの会話に人間のレビューを入れる目的は、「Bardの回答の品質向上」のため。「モデルを改善するプロセスにおいて不可欠なステップ」であり、レビュー結果は「より良いデータセット提供に向けた微調整用データ」として使われるという。
レビューの流れはこうだ。Bardとの会話から無作為に抽出されたサンプルを、人間のレビュアーが確認。品質が低くないか、不正確でないか、有害でないかなど品質を判断する。その後、評価担当者が、複数のポリシーに照らしてより品質の高い回答を提案するという。
ユーザーが入力した内容のプライバシーについては「さまざまな対策を講じている」と説明。レビュアーに表示される会話はユーザーアカウントにひも付いておらず、抽出されるサンプルは無作為かつ、Bardとの会話の一部のみ」だという。
位置情報の取得については、「ユーザーの質問との関連性が高い回答を提供する」と説明。「たとえば『天気はどう?』という質問に回答する場合、ユーザーの現在地を把握している必要がある」とする。Bardにさらに権限を与えれば「一番近いコーヒーショップはどこ?」といった質問にも答えられるようになるという。
Bardとの会話や位置情報をGoogleアカウントに保存したくない場合は、「Bardアクティビティの保存を一時停止」メニューから停止できるが、停止していても、最長72時間は保存される。
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