住宅情報サイトの「おとり物件」9割検知 ライフルが自社開発AIで
住宅情報サイトを運営するLIFULLは4日、自社開発AIによる募集終了物件(通称:おとり物件)の検知精度を月あたり87%まで向上させたと発表した。
住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」を運営するLIFULL(東京都千代田区)は12月4日、自社開発AIによる募集終了物件(通称:おとり物件)の検知精度を月あたり87%まで向上させたと発表した。AIが検知した物件について、管理会社に電話で確認して募集終了率を測定した。
同社は、データベースに蓄積した過去の物件情報などを学習させたAIによるおとり物件検知の検証を2019年に開始。20年10月時点では検知精度が平均26%ほどにとどまっていたが、複数の学習モデルを考案して並行して検証を行ったところ、22年10月以降は平均87%まで向上。23年3月単月では特定の学習モデルによる検知精度が99%に達したという。
ライフルは「これまで学習内容の検討や複数のAIモデルの比較検証など、様々な改善・工夫、そして失敗を繰り返しながらも、徐々に精度向上を続けてきた。不動産業界において長年の課題となっている“おとり物件”問題の解決に向けた大きな一歩として、この取り組みを加速させていきたい」(LIFULL HOME'S事業本部情報審査グループ長 の宮廻優子さん)としている。
今後は実用化に向けた検証を進め、LIFULL HOME'Sで自動的におとり物件を削除する機能や、募集が終了している可能性の高い物件について仲介会社に自動で通知する機能などを追加する方針だ。
賃貸物件の仲介では、貸主や不動産管理会社からの依頼を受けた複数の不動産仲介会社がWebサイトや雑誌に募集広告を掲載するのが一般的。しかし注目度が高い物件を募集終了後も残し、問い合わせてきた客に別の物件を紹介する、いわゆる「おとり物件」が問題視されている。
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